講演情報
[SR2-6]鏡視下右側結腸癌手術における体腔内吻合と体腔外吻合の治療成績の比較
森 良太, 北風 雅敏, 末田 聖倫, 賀川 義規, 西村 潤一, 安井 昌義, 大植 雅之 (大阪国際がんセンター消化器外科)
【はじめに】鏡視下結腸癌手術における体腔内吻合は体腔外吻合に比べ,創を小さくすることが可能となる,出血のリスクが減る,腸管の剥離授動範囲が少なくて済む等の利点があり,より低侵襲であると言われている.一方,体腔内吻合の問題点は,腸管が体腔内で開放されることにより腹腔内膿瘍形成や腹膜播種再発のリスクが増加する可能性が指摘されている.そこで今回当院での吻合法による治療成績を比較検討した.
【方法】当院において2020年1月から2022年12月に鏡視下で右側結腸癌の根治手術を行ったpStageII-IIIの97例を対象とし2024年4月まで観察した.体腔内吻合を行った21例と体腔外吻合を行った76例の2群に分け周術期や予後の比較を行った.体腔内吻合は全例Overlap法,対空外吻合は全例FEEAで行った.
【結果】患者背景に差は認めなかった.進行度においても体腔内群ではpStageIIが10例,IIIが11例,体腔外群ではpStgaeIIが39例,IIIが37例であり差を認めなかった.体腔内群はロボット支援16例(76.2%),腹腔鏡下5例(23.8%),体腔外群では全例腹腔鏡下であった.体腔内群では手術時間は246分vs203分と有意に長かったが(P=0.03),出血量は7.1 ml vs 26.2 mlと少なかった(P=0.02).Clavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症は両群間で有意差を認めなかった.術後在院日数は体腔内群で短かった(8日vs10日;P=0.05).観察期間中に体腔内群の2例(9.5%)体腔外群の6例(7.9%)で再発を認めたが,RFS(P=0.60,Odds比:1.64,95%CI:0.26-10.3)やOS(P=0.17,Odds比:0.18,95%CI:0.02-2.03)に差は認めなかった.
【結語】背景に差はあるが鏡視下結腸癌手術における体腔内吻合は体腔外吻合と比較して術後合併症の発生に差はなく,早期に退院可能であった.予後においては差を認めなかった.
【方法】当院において2020年1月から2022年12月に鏡視下で右側結腸癌の根治手術を行ったpStageII-IIIの97例を対象とし2024年4月まで観察した.体腔内吻合を行った21例と体腔外吻合を行った76例の2群に分け周術期や予後の比較を行った.体腔内吻合は全例Overlap法,対空外吻合は全例FEEAで行った.
【結果】患者背景に差は認めなかった.進行度においても体腔内群ではpStageIIが10例,IIIが11例,体腔外群ではpStgaeIIが39例,IIIが37例であり差を認めなかった.体腔内群はロボット支援16例(76.2%),腹腔鏡下5例(23.8%),体腔外群では全例腹腔鏡下であった.体腔内群では手術時間は246分vs203分と有意に長かったが(P=0.03),出血量は7.1 ml vs 26.2 mlと少なかった(P=0.02).Clavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症は両群間で有意差を認めなかった.術後在院日数は体腔内群で短かった(8日vs10日;P=0.05).観察期間中に体腔内群の2例(9.5%)体腔外群の6例(7.9%)で再発を認めたが,RFS(P=0.60,Odds比:1.64,95%CI:0.26-10.3)やOS(P=0.17,Odds比:0.18,95%CI:0.02-2.03)に差は認めなかった.
【結語】背景に差はあるが鏡視下結腸癌手術における体腔内吻合は体腔外吻合と比較して術後合併症の発生に差はなく,早期に退院可能であった.予後においては差を認めなかった.