講演情報
[O19-7]横行結腸癌の部位別のリンパ節転移,再発形式より考える至適術式・リンパ節郭清
福井 太郎, 宮倉 安幸, 竹下 知建, 前村 公也, 水澤 由樹, 松澤 夏未, 髙山 裕司, 力山 敏樹 (自治医科大学附属さいたま医療センター一般・消化器外科)
【緒言】横行結腸癌は大腸癌全体の10%以下と頻度が少なく,至適術式・リンパ節郭清範囲については未解明である.
【目的・方法】横行結腸の部位(右側・中央・左側),深達度別のリンパ節転移状況,再発様式について調査し至適術式を検討した.2009年1月から2024年3月に原発巣切除を行った横行結腸癌229例で診断時に病期IV 17例を除く212例を解析対象とした.
【結果】
1)右側は55例で部分切除5例,結腸右半切除術(RHC)50例が行われていた.T4の12例中,#201転移を1例に認めたが#223転移は無かった.再発は7例(様式:播種,肝,肺)であった.
2)中央は101例で部分切除73例,RHC27例(拡大(ex)RHC5例),結腸左半切除術(LHC)1例が行われていた.T4の27例中,#201転移を1例に認めた.#223転移へはT2で1例,T4で3例があった.#230系への転移は無かった.再発はT1で1例,T3で3例,T4で7例(様式:肝門部リンパ節(LN),播種,肺,肝,心筋,大動脈周囲LN)であった.
3)左側は56例で部分切除23例,LHC 31例,exRHC2例が行われていた.#231にT3で2例,T4で1例,#232にT3で1例,T4で1例に転移があった.再発は4例(様式:肝,遠隔LN,播種,肺)であった.
【部位別至適術式と手術アプローチ】
1)横行結腸右側のT4症例で#201転移がみられ,RHCが必要である.RHCでは内側アプローチ・中枢郭清より行っている.
2)中央では#223の確実な郭清が必要である.T4症例では#201転移がみられ,拡大RHCが必要となる.網嚢開放後,横行結腸をtake downし膵頭部・十二指腸の確認を先行している.横行結腸切除では尾側より十二指腸前面の間膜が薄い部分をきっかけにSMVの位置を参考にMCAの根部を確認し,Treitz靱帯方向へ間膜を切開し郭清の頂点を決定する.拡大RHCではICAの尾側の内側アプローチ・中枢郭清より行っている.
3)左側では#230系への転移のみであり十分な切除腸管長・CMEが行えればLHCは必須ではないと考えられる.
以上の術式のポイントをビデオで供覧する.
【目的・方法】横行結腸の部位(右側・中央・左側),深達度別のリンパ節転移状況,再発様式について調査し至適術式を検討した.2009年1月から2024年3月に原発巣切除を行った横行結腸癌229例で診断時に病期IV 17例を除く212例を解析対象とした.
【結果】
1)右側は55例で部分切除5例,結腸右半切除術(RHC)50例が行われていた.T4の12例中,#201転移を1例に認めたが#223転移は無かった.再発は7例(様式:播種,肝,肺)であった.
2)中央は101例で部分切除73例,RHC27例(拡大(ex)RHC5例),結腸左半切除術(LHC)1例が行われていた.T4の27例中,#201転移を1例に認めた.#223転移へはT2で1例,T4で3例があった.#230系への転移は無かった.再発はT1で1例,T3で3例,T4で7例(様式:肝門部リンパ節(LN),播種,肺,肝,心筋,大動脈周囲LN)であった.
3)左側は56例で部分切除23例,LHC 31例,exRHC2例が行われていた.#231にT3で2例,T4で1例,#232にT3で1例,T4で1例に転移があった.再発は4例(様式:肝,遠隔LN,播種,肺)であった.
【部位別至適術式と手術アプローチ】
1)横行結腸右側のT4症例で#201転移がみられ,RHCが必要である.RHCでは内側アプローチ・中枢郭清より行っている.
2)中央では#223の確実な郭清が必要である.T4症例では#201転移がみられ,拡大RHCが必要となる.網嚢開放後,横行結腸をtake downし膵頭部・十二指腸の確認を先行している.横行結腸切除では尾側より十二指腸前面の間膜が薄い部分をきっかけにSMVの位置を参考にMCAの根部を確認し,Treitz靱帯方向へ間膜を切開し郭清の頂点を決定する.拡大RHCではICAの尾側の内側アプローチ・中枢郭清より行っている.
3)左側では#230系への転移のみであり十分な切除腸管長・CMEが行えればLHCは必須ではないと考えられる.
以上の術式のポイントをビデオで供覧する.