講演情報
[P2-2-3]90才以上の超高齢者大腸癌の手術治療
早田 浩明, 外岡 亨, 成島 一夫, 天海 博之 (千葉県がんセンター食道胃腸外科)
緒言:大腸癌知慮ガイドラインには高齢者の大腸癌治療についてのコメントはほとんどない.ましてや90才を超える超高齢者に対して侵襲の大きな手術や化学療法については言及していない.しかし,近年超高齢者でも手術を受けられる症例が出てきている.
目的:超高齢者(90才以上)と高齢者を比較し,その特徴と治療結果を考察する.
対象:1988年から2019年6月までに当科でなんらかの外科的治療を受けた80才以上の高齢者269症例.
結果:90才以上の症例(以下超高齢群)は4例で男女2人ずつ,90才未満80才以上(以下高齢群)でもほぼ1:1.大腸癌の主座は高齢者では右結腸(横行結腸を含む):左結腸:直腸肛門は超高齢群で2:1:1,高齢群125:72:68とほぼ同じ.大腸癌切除(Cur C含む)例は高齢群96.2%と非常に高率に切除しているが,超高齢群では4人中3人とやや低い.また術後では超高齢群では全員が3年以内に死亡しているが,高齢群では5年以上生存者が113例いた.補助療法を受けた症例は超高齢群で0だったが高齢群では14%いた.既往歴持病ではどちらも循環器系,糖尿病などが多かったが90才境界での違いは明らかでなかったが,超高齢群では全症例術後退院しても通院できなかった.
考察:日本人は超高齢社会になってきており,大腸癌手術症例は徐々に高齢者が多くなってきている.比較的元気な高齢者は非常に多く,80才でも術後補助化学療法を受ける症例も見受けられる.しかし,90才以上の超高齢となると化学療法者は一人もいない.この要因はもちろん高齢であることだが,家族の協力がないと通院できないことも考えられる.
結語:超高齢者に対する大腸癌治療では家族の協力が不可欠であり,治療選択に大きな影響を及ぼすと思われた.
目的:超高齢者(90才以上)と高齢者を比較し,その特徴と治療結果を考察する.
対象:1988年から2019年6月までに当科でなんらかの外科的治療を受けた80才以上の高齢者269症例.
結果:90才以上の症例(以下超高齢群)は4例で男女2人ずつ,90才未満80才以上(以下高齢群)でもほぼ1:1.大腸癌の主座は高齢者では右結腸(横行結腸を含む):左結腸:直腸肛門は超高齢群で2:1:1,高齢群125:72:68とほぼ同じ.大腸癌切除(Cur C含む)例は高齢群96.2%と非常に高率に切除しているが,超高齢群では4人中3人とやや低い.また術後では超高齢群では全員が3年以内に死亡しているが,高齢群では5年以上生存者が113例いた.補助療法を受けた症例は超高齢群で0だったが高齢群では14%いた.既往歴持病ではどちらも循環器系,糖尿病などが多かったが90才境界での違いは明らかでなかったが,超高齢群では全症例術後退院しても通院できなかった.
考察:日本人は超高齢社会になってきており,大腸癌手術症例は徐々に高齢者が多くなってきている.比較的元気な高齢者は非常に多く,80才でも術後補助化学療法を受ける症例も見受けられる.しかし,90才以上の超高齢となると化学療法者は一人もいない.この要因はもちろん高齢であることだが,家族の協力がないと通院できないことも考えられる.
結語:超高齢者に対する大腸癌治療では家族の協力が不可欠であり,治療選択に大きな影響を及ぼすと思われた.