講演情報
[SY2-10]下部直腸癌に対するロボット支援下手術はtaTMEを超えることができるか
諏訪 雄亮1, 小澤 真由美2, 森 康一1, 中川 和也2, 諏訪 宏和3, 沼田 正勝1, 渡邉 純2,4, 佐藤 勉1, 遠藤 格2 (1.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科, 2.横浜市立大学消化器・腫瘍外科, 3.横須賀共済病院外科, 4.関西医科大学医学部下部消化管外科学)
【背景】直腸癌に対しては今までの開腹,腹腔鏡手術に加えRobotic TME(R-TME)やtrans-anal TME(taTME)が注目されている.特に下部直腸癌に対してはR-TMEやtaTMEの有用性が言われているが両者の比較は少ない.
【方法】2015年からR-TME,2017年から2 teamのtaTMEを開始し,2024年2月までにstage I-IIIの腹膜翻転部以下の直腸癌に対して吻合を伴うTMEを施行した266例(R-TME160例,taTME:106例)をプロペンシティスコアでマッチングし短期成績を検討した.マッチング調節因子は年齢,性別,肛門縁腫瘍間距離,腫瘍径,cT stage,cN stage,術前治療有無,側方郭清施行有無とした.
【結果】両群80例の160例がマッチングされた.患者背景はR-TME/taTMEで有意な差はなく男性54/55例(67.5/68.8%,p=1.0),肛門縁腫瘍間距離は52.5/52.5mm(p=0.531),術前治療は14/8例(17.5/10%,p=0.250)に行われていた.手術時間中央値 240.5/251分(p=0.509),出血量中央値7/81ml(p<0.001),側方郭清を19/14例(23.8/17.5%,p=0.434)に施行し全術後合併症は21/21例(26.3/26.3%,p=1.0),Grade2以上の術後合併症は15/18例(18.8/22.5%,p=0.696),Grade B以上の縫合不全 は3/2(3.8/2.5%,p=0.650)に認め,術後在院日数は13/13日(p=0.348)であった.リンパ節郭清個数16/17個(p=0.348),DMは15/20mm(p=0.592),CRM≦5.0/3.8%,p=0.700)であった.【結論】下部直腸癌に対しtaTMEはR-TMEよりも術中出血量は多かったがその他の短期成績に有意な差はなかった.2teamのtaTMEは4-5人の外科医が必要であることや解剖学的な理解が難しいことからR-TMEを第一選択にするべきであると考えるが長期成績の検討も今後必要である.
【方法】2015年からR-TME,2017年から2 teamのtaTMEを開始し,2024年2月までにstage I-IIIの腹膜翻転部以下の直腸癌に対して吻合を伴うTMEを施行した266例(R-TME160例,taTME:106例)をプロペンシティスコアでマッチングし短期成績を検討した.マッチング調節因子は年齢,性別,肛門縁腫瘍間距離,腫瘍径,cT stage,cN stage,術前治療有無,側方郭清施行有無とした.
【結果】両群80例の160例がマッチングされた.患者背景はR-TME/taTMEで有意な差はなく男性54/55例(67.5/68.8%,p=1.0),肛門縁腫瘍間距離は52.5/52.5mm(p=0.531),術前治療は14/8例(17.5/10%,p=0.250)に行われていた.手術時間中央値 240.5/251分(p=0.509),出血量中央値7/81ml(p<0.001),側方郭清を19/14例(23.8/17.5%,p=0.434)に施行し全術後合併症は21/21例(26.3/26.3%,p=1.0),Grade2以上の術後合併症は15/18例(18.8/22.5%,p=0.696),Grade B以上の縫合不全 は3/2(3.8/2.5%,p=0.650)に認め,術後在院日数は13/13日(p=0.348)であった.リンパ節郭清個数16/17個(p=0.348),DMは15/20mm(p=0.592),CRM≦5.0/3.8%,p=0.700)であった.【結論】下部直腸癌に対しtaTMEはR-TMEよりも術中出血量は多かったがその他の短期成績に有意な差はなかった.2teamのtaTMEは4-5人の外科医が必要であることや解剖学的な理解が難しいことからR-TMEを第一選択にするべきであると考えるが長期成績の検討も今後必要である.