講演情報
[SR1-5]ロボット支援結腸癌手術の定型化へ向けた取り組みと課題
波多 豪, 竹田 充伸, 関戸 悠紀, 浜部 敦史, 荻野 崇之, 三吉 範克, 植村 守, 山本 浩文, 土岐 祐一郎, 江口 英利 (大阪大学消化器外科)
【はじめに】ロボット支援結腸癌手術の保険収載を受け,結腸癌に対するロボット支援手術の症例数は増加している.各施設において術式の定型化が進められ,安全性と有効性について検証が進んでいる.当科では,以前より,結腸癌手術における至適郭清範囲のシミュレーションを重要と考え,PET-CT,CT angiographyおよびvirtual colonoscopyの画像を立体融合させたMulti-image 3D-triple fusion画像構築を術前検査として必須としている.解剖を立体的に可視化し,腫瘍位置の把握,血管走行およびリンパ節転移,遠隔転移を診断することができる.郭清血管を血管解剖のバリエーションとともに確認し,安全かつ腫瘍学的に過不足ないよう術前に切除範囲を決定する.特に,ロボット支援手術ではトロッカー配置を腫瘍位置に応じて調節するが,それによってロールインの向きも変わるため,術前から正確に腫瘍局在を確認することが不可欠であるという点からも,同検査は非常に有用である.ロボット手術の課題として,従来の腹腔鏡と比較し,手術時間の延長が取り上げられることが多いが,当科ではその短縮のため,術中の体位変換を最小限としている.腹腔鏡手術と同じ後腹膜先行アプローチを踏襲することで定型化された手術はそのままに,Tip up grasperを有効活用して小腸の移動や不要な鉗子操作を減らし,広い視野での安全かつ完全なCMEを遂行している.
【対象と方法】ロボット支援下結腸癌手術を2022年5月より導入し,2024年4月までの2年間に69例の症例を経験した.当科におけるロボット支援結腸癌手術の定型化への取り組みと,その手術成績について報告する.
【結果】平均年齢は68.1歳,男性31例,女性38例,術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術/結腸左半切除術/S状結腸切除術が,それぞれ16/26/10/5/12例であった.平均手術時間360.1分,出血量97.0ml,重篤な合併症を認めず,平均術後在院日数は11.0日であった.
【まとめ】当科でのロボット支援結腸癌手術の定型化への取り組みについて報告する.
【対象と方法】ロボット支援下結腸癌手術を2022年5月より導入し,2024年4月までの2年間に69例の症例を経験した.当科におけるロボット支援結腸癌手術の定型化への取り組みと,その手術成績について報告する.
【結果】平均年齢は68.1歳,男性31例,女性38例,術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術/結腸左半切除術/S状結腸切除術が,それぞれ16/26/10/5/12例であった.平均手術時間360.1分,出血量97.0ml,重篤な合併症を認めず,平均術後在院日数は11.0日であった.
【まとめ】当科でのロボット支援結腸癌手術の定型化への取り組みについて報告する.