講演情報
[R4-6]経会陰アプローチ併用腹腔鏡下直腸切断術と経会陰アプローチ併用ロボット支援下直腸切断術の比較検討
山本 大輔, 齋藤 裕人, 齊藤 浩志, 道傳 研太, 﨑村 祐介, 辻 敏克, 森山 秀樹, 木下 淳, 稲木 紀幸 (金沢大学附属病院消化管外科)
【背景】直腸がんに対する2teamsTaTMEは非常に有用な手技であるが,5人の外科医を要するため,導入が難しい.ロボット支援下手術導入に伴い,腹腔側から直腸切離が困難な症例(主にISRとAPR)に対し,当院では経会陰アプローチを併用しロボット支援下手術を行っている.今回,直腸切断術においてロボット導入まで行ってきた2teams経会陰アプローチ併用腹腔鏡下直腸切断術と2teams経会陰アプローチ併用ロボット支援下直腸切断術の短期成績を比較検討した.
【方法】肛門側プラットフォームとしてアプライドメディカル社のGelpoint miniを使用している.必要に応じて側方郭清も会陰側からのアプローチを併用した.2018年12月より2022年12月までの間に行った経会陰アプローチ併用腹腔鏡下直腸切断術を行った16例(La群)と2023年6月から2024年4月までに行った経会陰アプローチ併用ロボット支援下直腸切断術(Ro群)を行った9例に関して,後方視的に比較検討を行った.
【結果】年齢(すべて中央値)(La群73歳,Ro群68歳),性別,術前Stage1/2/3/4はLa群1/4/8/3,Ro群2/2/4/1であり,両群間に差はなかった.術前治療はLa群5例(NAC4例,CRT1例),Ro群2例(NAC2例)に施行されていた.側方郭清はLa群9例(56.3%),Ro群5例(55.5%)に経腹的,経会陰的に併施した.手術時間は側方郭清なしLa群384分,Ro群333分,側方郭清ありがLa群525分,Ro群563分であり,両群間で差はなかった.出血量も側方郭清ありなしで比較したが,差は見られなかった.Clavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症としてLa群に脳梗塞を認めた.術後の病理結果としてRM陽性(1mm以下)がLa群で2例,断端評価不能が1例であった.
【結論】今回少数例の検討ではあるが,経会陰アプローチ併用の2teamsロボット支援下手術は経会陰アプローチ併用の2teams腹腔鏡下直腸切断術と比較し,手術成績に差はなかったが,一人少ない4人で施行可能であり,有用と考えられた.
【方法】肛門側プラットフォームとしてアプライドメディカル社のGelpoint miniを使用している.必要に応じて側方郭清も会陰側からのアプローチを併用した.2018年12月より2022年12月までの間に行った経会陰アプローチ併用腹腔鏡下直腸切断術を行った16例(La群)と2023年6月から2024年4月までに行った経会陰アプローチ併用ロボット支援下直腸切断術(Ro群)を行った9例に関して,後方視的に比較検討を行った.
【結果】年齢(すべて中央値)(La群73歳,Ro群68歳),性別,術前Stage1/2/3/4はLa群1/4/8/3,Ro群2/2/4/1であり,両群間に差はなかった.術前治療はLa群5例(NAC4例,CRT1例),Ro群2例(NAC2例)に施行されていた.側方郭清はLa群9例(56.3%),Ro群5例(55.5%)に経腹的,経会陰的に併施した.手術時間は側方郭清なしLa群384分,Ro群333分,側方郭清ありがLa群525分,Ro群563分であり,両群間で差はなかった.出血量も側方郭清ありなしで比較したが,差は見られなかった.Clavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症としてLa群に脳梗塞を認めた.術後の病理結果としてRM陽性(1mm以下)がLa群で2例,断端評価不能が1例であった.
【結論】今回少数例の検討ではあるが,経会陰アプローチ併用の2teamsロボット支援下手術は経会陰アプローチ併用の2teams腹腔鏡下直腸切断術と比較し,手術成績に差はなかったが,一人少ない4人で施行可能であり,有用と考えられた.