講演情報
[P23-2-4]人工肛門造設が必要であった外傷性会陰裂傷の2例
藤田 悠司1,2, 石本 武史1, 中島 晋1 (1.済生会滋賀県病院, 2.京都第一赤十字病院)
【はじめに】骨盤開放骨折,会陰部重症熱傷やFournier壊疽の治療で,感染制御のため人工肛門造設が必要となることがある.今回当科で経験した外傷性会陰裂傷の治療において人工肛門造設術を施行した2例を報告する.
【症例】症例1は36歳男性.自転車運転中にトラックに巻き込まれて救急搬送,ショックバイタルで大動脈遮断バルーン留置・人工呼吸管理,不安定型骨盤骨折に対して血管塞栓術と創外固定術を施行した.術後に会陰裂傷を認めて創管理と感染制御のため術後10日目に腹腔鏡下でS状結腸人工肛門造設術を施行した.以後は創部管理を行って第84病日退院となり,術後7ヶ月後に人工肛門閉鎖術を施行した.症例2は36歳男性.工事現場作業中に鉄筋が倒れて下腹部に転がるよう乗っかり救急搬送,骨盤骨折・大腿骨骨折・左鼠径部挫滅創・肛門周囲半周の会陰裂傷を認めて,骨盤創外固定術と会陰創のドレーン留置閉鎖と経肛門ドレーン留置を行い,術後3日目には左鼠径部から左陰嚢開放洗浄と横行結腸人工肛門造設術を施行した.以後は再度創外固定術,他骨折部固定術を順次行い,第48病日に創外固定抜去・鼠径陰嚢部縫合術・直腸瘻孔にシートン法を施行し,第79病日にリハビリテーション目的に転院となった.今回2症例ともに会陰裂傷のような開放創を伴う骨盤骨折時には感染制御のために人工肛門造設が必須であった.
【結語】骨盤部外傷で会陰裂傷を伴う時には全身状態の安定化と並行して合併臓器損傷の評価と人工肛門造設術等の治療計画を立てることが重要である.
【症例】症例1は36歳男性.自転車運転中にトラックに巻き込まれて救急搬送,ショックバイタルで大動脈遮断バルーン留置・人工呼吸管理,不安定型骨盤骨折に対して血管塞栓術と創外固定術を施行した.術後に会陰裂傷を認めて創管理と感染制御のため術後10日目に腹腔鏡下でS状結腸人工肛門造設術を施行した.以後は創部管理を行って第84病日退院となり,術後7ヶ月後に人工肛門閉鎖術を施行した.症例2は36歳男性.工事現場作業中に鉄筋が倒れて下腹部に転がるよう乗っかり救急搬送,骨盤骨折・大腿骨骨折・左鼠径部挫滅創・肛門周囲半周の会陰裂傷を認めて,骨盤創外固定術と会陰創のドレーン留置閉鎖と経肛門ドレーン留置を行い,術後3日目には左鼠径部から左陰嚢開放洗浄と横行結腸人工肛門造設術を施行した.以後は再度創外固定術,他骨折部固定術を順次行い,第48病日に創外固定抜去・鼠径陰嚢部縫合術・直腸瘻孔にシートン法を施行し,第79病日にリハビリテーション目的に転院となった.今回2症例ともに会陰裂傷のような開放創を伴う骨盤骨折時には感染制御のために人工肛門造設が必須であった.
【結語】骨盤部外傷で会陰裂傷を伴う時には全身状態の安定化と並行して合併臓器損傷の評価と人工肛門造設術等の治療計画を立てることが重要である.