講演情報
[P13-2-5]当科における直腸NETに対する治療の現状
井関 康仁, 田中 裕人, 西村 潤也, 西居 孝文, 坂元 寿美礼, 金城 あやか, 長谷川 健太, 多田 隆馬, 谷 直樹, 長嶋 大輔, 江口 真平, 田嶋 哲三, 長谷川 毅, 村田 哲洋, 櫻井 克宣, 高台 真太郎, 久保 尚士, 清水 貞利, 井上 透, 西口 幸雄 (大阪市立総合医療センター)
【はじめに】消化器神経内分泌腫瘍(以下NET)の発症率は,10万人あたり3~5人と言われており希少腫瘍と位置付けられている.本邦では,消化器NETの中でも膵臓及び直腸に多いとされている.当科での直腸NETに対する手術施行例を後方視的に検討を行った.
【対象と方法】
2010年4月から2024年4月までに当院で手術加療を行った直腸NET13例を対象とした.それぞれの臨床病理学的因子および予後を検討した.
【結果】性別は,男性6例,女性7例.年齢の中央値は62歳(40-83歳)であった.Raが7例,Rbが6例であった.観察期間中央値は46ヶ月(1-125ヶ月)であった.初発症状は,便秘が1例,便潜血陽性が6例,肛門痛が1例,下腹部痛が1例,貧血が2例,下部消化管内視鏡検査での指摘が2例であった.術前に4例で内視鏡下に切除が行われていた.
手術方法は低位前方切除術が7例,ハルトマン手術が1例,経肛門的腫瘍切除術が4例,ISRが1例であった.腫瘍径の中央値は15mm(3-95mm)であった.中心陥凹は,6例に認めた.G1/G2/G3/NEC 8/2/1/1例であり,1例はcarcinoidの記載のみで詳細不明であった.リンパ管侵襲を認めた症例は2例,静脈侵襲を認めた症例は2例であった.TNM分類(UICC第8版)による病理学的因子の検討を行ったところT因子は,T1/2/3/X 5/3/3/2例であった.リンパ節転移は,4例に認めた.進行度は,I/IIA/IIIB/IV/X 5/2/3/1/2例であった.
術後再発部位は,肝臓が2例,局所・側方リンパ節再発が1例,肺転移が1例であった.再発症例4症例において手術から再発までの期間の中央値は48.2ヶ月(24.8- 63.7ヶ月)であった.再発症例の組織型はG1/G2/NEC 1/2/1例であった.再発症例に対してNET症例はオクトレオチドやエベロリムスによる治療を施行していた.NEC症例は,肺転移再発後にCapecitabine投与が行われていた.
【結語】
当科において直腸NETに対して手術加療を行った症例では腫瘍径10mm以上の症例でリンパ節転移を来していた.G1でも再発をきたす症例も見られた.今後,術式及び術後補助化学療法など集学的治療に関する更なるエビデンスの集積が必要と考えられた.
【対象と方法】
2010年4月から2024年4月までに当院で手術加療を行った直腸NET13例を対象とした.それぞれの臨床病理学的因子および予後を検討した.
【結果】性別は,男性6例,女性7例.年齢の中央値は62歳(40-83歳)であった.Raが7例,Rbが6例であった.観察期間中央値は46ヶ月(1-125ヶ月)であった.初発症状は,便秘が1例,便潜血陽性が6例,肛門痛が1例,下腹部痛が1例,貧血が2例,下部消化管内視鏡検査での指摘が2例であった.術前に4例で内視鏡下に切除が行われていた.
手術方法は低位前方切除術が7例,ハルトマン手術が1例,経肛門的腫瘍切除術が4例,ISRが1例であった.腫瘍径の中央値は15mm(3-95mm)であった.中心陥凹は,6例に認めた.G1/G2/G3/NEC 8/2/1/1例であり,1例はcarcinoidの記載のみで詳細不明であった.リンパ管侵襲を認めた症例は2例,静脈侵襲を認めた症例は2例であった.TNM分類(UICC第8版)による病理学的因子の検討を行ったところT因子は,T1/2/3/X 5/3/3/2例であった.リンパ節転移は,4例に認めた.進行度は,I/IIA/IIIB/IV/X 5/2/3/1/2例であった.
術後再発部位は,肝臓が2例,局所・側方リンパ節再発が1例,肺転移が1例であった.再発症例4症例において手術から再発までの期間の中央値は48.2ヶ月(24.8- 63.7ヶ月)であった.再発症例の組織型はG1/G2/NEC 1/2/1例であった.再発症例に対してNET症例はオクトレオチドやエベロリムスによる治療を施行していた.NEC症例は,肺転移再発後にCapecitabine投与が行われていた.
【結語】
当科において直腸NETに対して手術加療を行った症例では腫瘍径10mm以上の症例でリンパ節転移を来していた.G1でも再発をきたす症例も見られた.今後,術式及び術後補助化学療法など集学的治療に関する更なるエビデンスの集積が必要と考えられた.