講演情報

[P13-2-3]当院における直腸NETの外科的治療成績とDistal Marginの検討

福田 敏之1, 渥美 陽介1, 沼田 正勝1, 原田 龍之助1, 伊豆川 翔太1, 諏訪 雄亮1, 風間 慶祐2, 齋藤 綾2, 佐藤 勉1 (1.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科, 2.横浜市立大学外科治療学)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【緒言】直腸NETは下部直腸に好発し,Distal Margin確保のために肛門温存不能となる症例も存在する.過去の知見から,直腸NET外科切除例の局所制御率は,直腸癌と比較し極めて良好であることから,直腸NETに対する至適なDM(Distal Margin)は癌と異なる可能性がある.
 【目的】当院の直腸NET切除例を対象に,治療成績,DMについて検討した.
 【対象】2008年から2023年まで,当院で外科切除した直腸NET(n=47)を対象とした(NECとStageIV除外).
 【結果】
 男性/女性 22/25 例,年齢中央値51歳であった.占拠部位はRS/Ra/Rb=2/2/43例であった.術前に内視鏡切除を施行した症例は32例(68%)であった.手術は全て鏡視下手術であり,そのうちRobot手術が3例,術式はHAR/LAR/ISR=2/28/18 例であった.リンパ節郭清範囲はD2/D3=22/25 例であった.深達度はT1/T2=39/4 例,組織分類はG1/G2=40/7 例であった.腫瘍径中央値は9mm,静脈侵襲陽性 9例(19%),リンパ管侵襲陽性 18例(38%)であった.リンパ節転移陽性は18例(38%)であり,リンパ節陽性個数/郭清リンパ節個数は#251=38/653(5.8%),#252=0/150(0%),#253=0/61(0%)であり,中間・主リンパ節への転移は認めなかった.DMの中央値は13mmであり,全例でRMおよびDMは陰性であった.術後観察期間の中央値54ヶ月において再発は2例(肝臓,肺転移 各1例)であり,局所再発は認めなかった.
 【結語】
 本検討症例のDMは13mmであり,局所制御率は良好であった.さらなる症例の集積が望まれる.