講演情報
[VWS2-10]後腹膜アプローチを用いた右側結腸癌に対するロボット支援手術の短期成績
渡邉 純1,2, 諏訪 雄亮3, 森 康一3, 中川 和也2, 小澤 真由美2, 太田 絵美4, 上原 広樹1, 井 翔一郎1, 山田 典和1, 小林 壽範1, 三城 弥範1 (1.関西医科大学下部消化管外科, 2.横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科, 3.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター, 4.横須賀共済病院外科)
【背景】本邦におけるロボット右側結腸癌手術に対する報告は少なく,その安全性,有用性は明らかでない.またアプローチ法も定型化されていない.
【目的】当院の後腹膜アプローチを用いたロボット結腸右半切除術の手技を供覧し,短期成績について検討する.
【手術手技】体位は頭低位,左下とする.ロボット手術における後腹膜アプローチでは,腹腔鏡手術と異なり,回盲部を頭側内側にめくりあげるように右側結腸間膜を後腹膜より剥離授動することによってTip-Up鉗子1本での良好な術野展開が可能である.SMVの左側縁を郭清範囲とするが,横行結腸癌では中結腸動脈周囲を郭清範囲とする.ロボット手術ではSurgical Trunk頭側から膵下縁までの郭清時のアプローチ性が良好である.また,再建は体腔内吻合を基本とし,検体摘出創はPfannenstiel切開創とする.Pfannenstiel切開創はカメラポートとしても利用可能である.
【方法】2020年8月から2024年3月まで,右側結腸癌に対してロボット手術を施行した82例について短期成績を検討した.対象期間での術者は4名であり,da Vinci Xiを使用した.
【成績】患者背景は,年齢71歳,男性/女性:36/46例,BMI 23.6,腫瘍径は30mm,腫瘍占拠部位:C/A/T:24/45/13例,cStage I/II/III/IV:44/17/19/2例であった.施行術式は回盲部切除/結腸部分切除(盲腸,上行結腸)/結腸右半切除/拡大結腸右半切除:22/13/45/2例であった.手術成績は173分,出血量0ml,コンソール時間は114.5分であった.再建は体腔内吻合55例であり,Delta/overlap吻合:31/24例であった.術後合併症は7例(8.5%)に認め,その内訳は肺炎(grade2)2例,腸閉塞(grade2)2例,麻痺性イレウス(grade2:1例,grade1:1例),腸炎(grade2)1例,乳び瘻(grade1)1例であった.術後在院日数は5日であった.Oncological clearanceは,リンパ節郭清個数23.5個,PM/DMは117.5/110mmであった.
【結論】右側結腸癌に対する後腹膜アプローチを用いたロボット支援手術の短期成績は良好であった.後腹膜アプローチはロボット手術における右側結腸癌手術に対するアプローチとして有用である.
【目的】当院の後腹膜アプローチを用いたロボット結腸右半切除術の手技を供覧し,短期成績について検討する.
【手術手技】体位は頭低位,左下とする.ロボット手術における後腹膜アプローチでは,腹腔鏡手術と異なり,回盲部を頭側内側にめくりあげるように右側結腸間膜を後腹膜より剥離授動することによってTip-Up鉗子1本での良好な術野展開が可能である.SMVの左側縁を郭清範囲とするが,横行結腸癌では中結腸動脈周囲を郭清範囲とする.ロボット手術ではSurgical Trunk頭側から膵下縁までの郭清時のアプローチ性が良好である.また,再建は体腔内吻合を基本とし,検体摘出創はPfannenstiel切開創とする.Pfannenstiel切開創はカメラポートとしても利用可能である.
【方法】2020年8月から2024年3月まで,右側結腸癌に対してロボット手術を施行した82例について短期成績を検討した.対象期間での術者は4名であり,da Vinci Xiを使用した.
【成績】患者背景は,年齢71歳,男性/女性:36/46例,BMI 23.6,腫瘍径は30mm,腫瘍占拠部位:C/A/T:24/45/13例,cStage I/II/III/IV:44/17/19/2例であった.施行術式は回盲部切除/結腸部分切除(盲腸,上行結腸)/結腸右半切除/拡大結腸右半切除:22/13/45/2例であった.手術成績は173分,出血量0ml,コンソール時間は114.5分であった.再建は体腔内吻合55例であり,Delta/overlap吻合:31/24例であった.術後合併症は7例(8.5%)に認め,その内訳は肺炎(grade2)2例,腸閉塞(grade2)2例,麻痺性イレウス(grade2:1例,grade1:1例),腸炎(grade2)1例,乳び瘻(grade1)1例であった.術後在院日数は5日であった.Oncological clearanceは,リンパ節郭清個数23.5個,PM/DMは117.5/110mmであった.
【結論】右側結腸癌に対する後腹膜アプローチを用いたロボット支援手術の短期成績は良好であった.後腹膜アプローチはロボット手術における右側結腸癌手術に対するアプローチとして有用である.