講演情報

[O15-1]外科的切除を施行したpT1b大腸癌のリンパ節転移の検討

萩原 清貴, 池永 雅一, 鈴木 陽三, 清水 潤三, 冨田 尚裕 (市立豊中病院消化器外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【緒言】pT1b大腸癌のリンパ節転移は12.5%と報告されている.【目的】pT1b大腸癌におけるリンパ節転移の危険因子を明らかにする.【対象と方法】2018年1月から2024年3月までの期間に当院で外科的切除を施行したpT1b大腸癌症例148例を対象に,臨床病理学的因子とリンパ節転移の関連を検討した.内視鏡的切除を施行され,追加切除した症例も含まれる.【結果】患者背景は年齢中央値72歳(41-89歳),男性85例,女性63例であった.腫瘍局在はC/A/T/D/S/RS/Ra/Rb=10/22/16/11/42/20/20/7例であった.内視鏡的切除は71例に施行された.リンパ管侵襲陽性は86例で,静脈侵襲陽性は62例で認めた.Tumor buddingはBD2,3を27例で認めた.リンパ節転移を17例に認めた.遠隔転移再発を1例に認め,再発部位は肝であった.リンパ節転移の有無で2群に分け臨床病理学的因子で単変量解析を行うと,リンパ節転移陽性群でリンパ管侵襲陽性が有意に多く(p=0.0011),内視鏡的切除を施行された追加切除症例が有意に少なかった(p=0.0395).多変量解析でリンパ管侵襲陽性がリンパ節転移の独立した危険因子であった(p=0.0254).【結語】pT1b大腸癌におけるリンパ節転移の危険因子はリンパ管侵襲陽性のみであった.