講演情報
[PD9-7]内科治療抵抗性潰瘍性大腸炎患者に対する手術必要性予測に対する機械学習モデルの応用
岡林 剛史, 坂本 恭子, 森田 覚, 茂田 浩平, 北川 雄光 (慶應義塾大学一般・消化器外科)
【背景】内科治療抵抗性潰瘍性大腸炎(UC)患者が緊急入院した際の手術可否の判断は難しい.最近では薬物療法の進歩により保存的治療の選択肢も増え,手術を回避できることも多くなっている.しかしながら,出血性ショックや中毒性巨大結腸症などを除けば,このような患者に対する明確な手術適応は定まっていない.今回われわれは,臨床データとCT画像から定量可能な画像特性を数値として抽出したradiomics特徴量を使用し,機械学習モデルの一種であるランダムフォレスト法により,緊急入院となった内科治療抵抗性UC患者の現入院中の手術必要性予測を行い,その意義について検討した.
【方法】2012年から2021年の間に内科治療抵抗性UCに対し手術施行した患者を対象とした.radiomics特徴量を抽出する画像データとして,入院時の単純CT画像を使用した.尾骨先端レベルの直腸を手動でセグメンテーションしRadiomics特徴量を107個抽出した.臨床データとradiomics特徴量を使用し,ランダムフォレスト法を用いて内科治療抵抗性潰瘍性大腸炎患者の現入院中の手術必要性に関する予測能を正確性で評価した.正確性の評価は5分割5回のクロスバリデーションで行った.
【結果】のべ184例のデータを使用した.最終的に手術が必要となったのは47例であった.ランダムフォレスト法を用いた手術予測の正答率は74.5%であった.ランダムフォレスト法が手術予測に用いた変数の重要度のTOP5はFK506の使用,Mean(radiomics特徴量),Lightigerスコア,GrayLevelNonUniformityNormalized(radiomics特徴量),Contrast(radiomics特徴量)であり,手術必要性予測には臨床データとradiomics特徴量のどちらも重要であった.
【結語】臨床データにradiomics特徴量を加えて機械学習を行うことで,手術の必要性をある程度予測することが可能であった.その際に,ヒトには認識することができないradiomics特徴量も重要な役割を果たしていた.
【方法】2012年から2021年の間に内科治療抵抗性UCに対し手術施行した患者を対象とした.radiomics特徴量を抽出する画像データとして,入院時の単純CT画像を使用した.尾骨先端レベルの直腸を手動でセグメンテーションしRadiomics特徴量を107個抽出した.臨床データとradiomics特徴量を使用し,ランダムフォレスト法を用いて内科治療抵抗性潰瘍性大腸炎患者の現入院中の手術必要性に関する予測能を正確性で評価した.正確性の評価は5分割5回のクロスバリデーションで行った.
【結果】のべ184例のデータを使用した.最終的に手術が必要となったのは47例であった.ランダムフォレスト法を用いた手術予測の正答率は74.5%であった.ランダムフォレスト法が手術予測に用いた変数の重要度のTOP5はFK506の使用,Mean(radiomics特徴量),Lightigerスコア,GrayLevelNonUniformityNormalized(radiomics特徴量),Contrast(radiomics特徴量)であり,手術必要性予測には臨床データとradiomics特徴量のどちらも重要であった.
【結語】臨床データにradiomics特徴量を加えて機械学習を行うことで,手術の必要性をある程度予測することが可能であった.その際に,ヒトには認識することができないradiomics特徴量も重要な役割を果たしていた.