講演情報
[P21-1-3]当科におけるStageIII直腸癌の治療成績
佐藤 圭佑, 須藤 剛, 榎田 会生, 本荘 美菜子, 安田 英弘, 渡部 雅崇, 半沢 光, 内藤 覚, 深瀬 正彦, 飯澤 肇 (山形県立中央病院)
【背景】局所進行直腸癌に対しては術前化学放射線療法や,Total Neoadjuvant Therapyの概念も浸透してきた.その一方で化学療法や放射線療法の合併症,over treatmentの問題点も指摘されている.
【方法】当科にて2015年から2019年の5年間に手術が施行されpStageIIIと診断された直腸癌 62例について後方視的に臨床病理学的検討を行った.
【結果】男性45例,女性17例,年齢中央値は68歳(36- 93歳)であった.腫瘍の局在はRS/Ra/Rb/P=13/24/23/2例,術前治療施行例はいなかった.手術アプローチは開腹が45例,腹腔鏡が17例であり,術式は高位前方切除術10例,低位前方切除術29例,超低位前方切除術11例,括約筋間直腸切除術2例,直腸切断術6例,ハルトマン手術3例,骨盤内臓全摘1例であった.他臓器合併切除を要したのは4例で,左卵巣卵管合併切除1例,左尿管合併切除1例,精嚢前立腺合併切除1例,骨盤内臓全摘が1例であった.術中洗浄細胞診は56例で施行されており,いずれも陰性,pStageはIIIa/IIIb/IIIc=33/21/8例,外科的剥離面陽性例は1例(1.6%)のみであった.Clavien- Dindo Grade II以上の合併症は11例(17.7%),Grade III以上の合併症は4例(6.4%)に認め,縫合不全3例(4.8%),創し開1例(1.6%)であった.術後補助療法は47例(75.8%)に施行されていた.観察期間中に15例(24.2%)の再発を認め,再発臓器は肝臓7例(11.3%),肺5例(8.1%),肺,肝臓同時1例(1.6%),播種再発1例(1.6%),骨,皮膚転移が1例(1.6%)であった.3年生存率85.4%,5年生存率71%,全生存期間は66.5ヶ月(7- 105ヶ月)であった.
【考察】局所進行直腸癌に対してはupfront surgeryも選択肢の一つになると考えられ,症例ごとの治療選択が必要である.
【方法】当科にて2015年から2019年の5年間に手術が施行されpStageIIIと診断された直腸癌 62例について後方視的に臨床病理学的検討を行った.
【結果】男性45例,女性17例,年齢中央値は68歳(36- 93歳)であった.腫瘍の局在はRS/Ra/Rb/P=13/24/23/2例,術前治療施行例はいなかった.手術アプローチは開腹が45例,腹腔鏡が17例であり,術式は高位前方切除術10例,低位前方切除術29例,超低位前方切除術11例,括約筋間直腸切除術2例,直腸切断術6例,ハルトマン手術3例,骨盤内臓全摘1例であった.他臓器合併切除を要したのは4例で,左卵巣卵管合併切除1例,左尿管合併切除1例,精嚢前立腺合併切除1例,骨盤内臓全摘が1例であった.術中洗浄細胞診は56例で施行されており,いずれも陰性,pStageはIIIa/IIIb/IIIc=33/21/8例,外科的剥離面陽性例は1例(1.6%)のみであった.Clavien- Dindo Grade II以上の合併症は11例(17.7%),Grade III以上の合併症は4例(6.4%)に認め,縫合不全3例(4.8%),創し開1例(1.6%)であった.術後補助療法は47例(75.8%)に施行されていた.観察期間中に15例(24.2%)の再発を認め,再発臓器は肝臓7例(11.3%),肺5例(8.1%),肺,肝臓同時1例(1.6%),播種再発1例(1.6%),骨,皮膚転移が1例(1.6%)であった.3年生存率85.4%,5年生存率71%,全生存期間は66.5ヶ月(7- 105ヶ月)であった.
【考察】局所進行直腸癌に対してはupfront surgeryも選択肢の一つになると考えられ,症例ごとの治療選択が必要である.