講演情報
[WS3-3]肛門病変合併クローン病における治療効果指標:PLI(Perianal Lesion Index)とMRI
横尾 貴史, 吉川 周作, 増田 勉, 寺内 誠司, 内田 秀樹, 中尾 武, 稲垣 水美, 谷 孝文, 岡本 光平, 芝田 祐輔, 稲次 直樹 (社会医療法人健生会土庫病院奈良大腸肛門病センター)
【緒言】当科では以前より肛門病変合併クローン病の治療効果判定に下部直腸肛門管をSES-CDで評価した上に排膿およびシートン留置状況をスコア化したPerianal Lesion Index(以下PLI)を用いてきた.下部直腸肛門管におけるクローン病の活動性を確認することは内視鏡で粘膜面を評価する以外にMRIでの直腸壁肥厚像として捉えることができる.今回PLIとMRIにおける下部直腸肛門管周囲の画像所見との関連性について検討した.
【方法】2017年3月から2024年3月までに当院で抗TNFα製剤以外の新規生物学的製剤を投与された肛門病変を有するpCD患者21例中,MRIが撮影されている7例を対象に括約筋間溝付近における前壁・両側壁・後壁の4点の厚みを計測し,その平均直腸壁厚およびT2強調画像における高信号瘻管とPLIとの関連性を検討した.
【結果】平均年齢25.4歳,男性5例,全例小腸大腸型であった.PLI平均値は4.6,CRP平均値 0.62.肛門病変に対する治療介入後のためPLI 0点の条件が4件含まれており,治療開始前後で比較できた症例は1例のみであった.平均直腸壁厚は5.8mm,高信号瘻管は2例に認められた.平均直腸壁厚とPLIの相関係数は0.487(p=0.221)と正の相関をみとめており,高信号瘻管はPLI 15および8の活動性肛門病変の症例に認められた.治療介入前後で計測できた症例ではPLIが8点から0点に改善するタイミングで直腸壁厚9.9mmから4.4mmへの改善がみられた.
【結語】サンプルサイズが小さいため有意差はみられないがPLIと平均直腸壁厚の間には正の相関が見られる可能性があり,治療前後での治療効果指標となる可能性が考えられた.
【方法】2017年3月から2024年3月までに当院で抗TNFα製剤以外の新規生物学的製剤を投与された肛門病変を有するpCD患者21例中,MRIが撮影されている7例を対象に括約筋間溝付近における前壁・両側壁・後壁の4点の厚みを計測し,その平均直腸壁厚およびT2強調画像における高信号瘻管とPLIとの関連性を検討した.
【結果】平均年齢25.4歳,男性5例,全例小腸大腸型であった.PLI平均値は4.6,CRP平均値 0.62.肛門病変に対する治療介入後のためPLI 0点の条件が4件含まれており,治療開始前後で比較できた症例は1例のみであった.平均直腸壁厚は5.8mm,高信号瘻管は2例に認められた.平均直腸壁厚とPLIの相関係数は0.487(p=0.221)と正の相関をみとめており,高信号瘻管はPLI 15および8の活動性肛門病変の症例に認められた.治療介入前後で計測できた症例ではPLIが8点から0点に改善するタイミングで直腸壁厚9.9mmから4.4mmへの改善がみられた.
【結語】サンプルサイズが小さいため有意差はみられないがPLIと平均直腸壁厚の間には正の相関が見られる可能性があり,治療前後での治療効果指標となる可能性が考えられた.