講演情報
[VPD4-1]同一術者によって行われた直腸脱に対する伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法の成績について
日高 仁, 佐々木 俊治, 日高 久光 (医療法人祥久会日高大腸肛門クリニック)
【はじめに】直腸脱は手術が唯一の治療法で,その方法には経肛門アプローチと経腹アプローチがある.当院では術式選択にあたり,其々の利点・欠点を含め必ず説明し,患者や家族・介護者の希望と,患者の全身状態・併存疾患なども考慮した上で,術式を決定している.根治性に優れた経腹アプローチが,腹腔鏡手術の発展により更に安全かつ低侵襲化する中,経肛門アプローチを選択する症例はよりリスクが高い場合が多い傾向にあり,そのような患者に対しても手技的に簡便で低侵襲に行うことのできるよう,伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法を当院では行っている.今回,同一術者による同術式の成績を振り返り,報告する.
【対象と方法】 2014年1月から2023年12月までに,当院にて,直腸脱に対し同一術者(筆頭演者)による伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法を受けた患者の診療録上の経過を,2024年3月まで追跡した.
【結果】該当症例は全26例(平均年齢80.5歳.50-96歳)で,男性:女性=2例:24例,初発:再発=4例:22例,平均脱出長3.5cmであった.合併症・併存疾患については,抗凝固薬内服中9例,認知症5例,精神疾患・知的障害4例,ステロイド内服中3例,糖尿病3例,腹膜透析中1例などを認めた(延べ症例).平均手術時間は36.2分,麻酔法は局所麻酔:仙骨硬膜外麻酔:腰椎麻酔=6例:1例:19例であった.再発例は1例(3.8%)のみで,再発に対しALTA療法を行った.また感染によるテープ抜去も1例(3.8%)に認めるのみであった.入院を要する後出血を2例(7.6%),入院を要する糞便塞栓を1例(3.8%)に認めた.
【まとめ】伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法は安全で有効な術式と考えられた.当日は実際の手術動画を供覧し,さらに郵送法によるアンケートの結果も追加して,より詳細に報告する.
【対象と方法】 2014年1月から2023年12月までに,当院にて,直腸脱に対し同一術者(筆頭演者)による伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法を受けた患者の診療録上の経過を,2024年3月まで追跡した.
【結果】該当症例は全26例(平均年齢80.5歳.50-96歳)で,男性:女性=2例:24例,初発:再発=4例:22例,平均脱出長3.5cmであった.合併症・併存疾患については,抗凝固薬内服中9例,認知症5例,精神疾患・知的障害4例,ステロイド内服中3例,糖尿病3例,腹膜透析中1例などを認めた(延べ症例).平均手術時間は36.2分,麻酔法は局所麻酔:仙骨硬膜外麻酔:腰椎麻酔=6例:1例:19例であった.再発例は1例(3.8%)のみで,再発に対しALTA療法を行った.また感染によるテープ抜去も1例(3.8%)に認めるのみであった.入院を要する後出血を2例(7.6%),入院を要する糞便塞栓を1例(3.8%)に認めた.
【まとめ】伸縮性ポリエステルテープを用いたGant-三輪-Thiersch法は安全で有効な術式と考えられた.当日は実際の手術動画を供覧し,さらに郵送法によるアンケートの結果も追加して,より詳細に報告する.