講演情報
[SY2-6]当院におけるロボット支援直腸癌手術の成績
鄭 栄哲1, 大塚 幸喜2, 隈本 力1, 近石 裕子1, 辻村 和紀1, 谷口 寛子1, 上嶋 徳1, 稲熊 岳1, 大村 悠介1, 小林 陽介1, 廣 純一郎1, 松岡 宏1, 升森 宏次1, 須田 康一1 (1.藤田医科大学医学部総合消化器外科, 2.藤田医科大学医学部先端ロボット・内視鏡手術外科学)
【はじめに】直腸癌に対するロボット支援手術は,2018年4月に本邦で保険収載となり,全国的に普及し,急速に症例数は増加している.当院では,直腸癌に対する腹腔鏡手術が少ないという背景のなかで,保険収載前の2010年より自費診療でロボット支援直腸癌手術を開始し500例以上の症例を経験してきた.【目的】今回我々は,ロボット支援直腸癌手術の短期・長期成績を文献的考察含め報告する.【対象・方法】2010年1月から2022年9月まで,直腸癌(多発癌除く)に対してロボット支援手術を行なった493例について,短期・長期成績を後方視的に検討した.【結果】患者背景は,年齢中央値493(24-92),性別 男性/女性(317/176),BMI 22.6(14.3-40.8),ASA-PS 1/2/3:149(30.2%)/311(63.1%)/33(6.7%),局在 RS/Ra/Rb/P:109(22.1%)/147(29.8%)/233(47.3%)/4(0.8%),cStageI/II/III/IV179(36.3%)/90(18.3%)/185(37.5%)/39(7.9%),術式 HAR/LAR/APR/ISR/ハルトマン23(4.7%)/347(70.4%)/47(9.5%)/52(10.5%)/24(4.9%)であった.手術成績 は,手術時間 340(142-912)分,コンソール時間(TME)188(77-627)分,出血量 20(0-907)ml,であった.Clavian Dindo分類III以上の合併症は,37(7.5%)であった.pStageI/II/III/IV:(177(35.9%)/99(20.1%)/170(34.5%)/43(8.7%)で,Stage別の3年RFS(月)I/II/III(93.2%/79.3%/734%),OS(月)I/II/III:96.2%/92.3%/88.6%であった.【結語】ロボット支援直腸癌手術の短期,および長期成績は良好であった.当院の開腹直腸癌手術と比較検討し報告する.