講演情報
[P19-2-4]スクリーニングとサーベイランスにおける大腸腺腫検出率の検討
木村 聖路1, 西谷 大輔1, 佐藤 和則1, 樋口 博之2, 藤原 沙映2 (1.青森労災病院消化器内科内視鏡科, 2.弘前大学消化器血液内科)
【目的】スクリーニングとサーベイランスにおける腺腫検出率(ADR)を比較検討して,患者の性別,年齢,病変のサイズ,局在などの臨床的諸因子が腺腫検出率に与える影響を検討した.
【方法】直接スクリーニング1868例(A群),検診精査スクリーニング2397例(B群),サーベイランス3119例(C群)診断内視鏡2416例(D群)の合計9800例を対象とした.腺腫検出率(ADR)を病理診断のない微小腺腫(1-5mm)を含む腺腫または癌の検出率として,各群のADR,APC,AADRを算出した.またADRを性別,年齢,サイズ,局在別に比較検討した.
【成績】腺腫検出率(ADR)はA群53.0%,B群63.2%,C群58.5%,D群49.6%で,B群で最も高くD群で低かった(p<0.0001).平均腺腫個数(APC)はA群0.91,B群0.99,C群1.28,D群0.65で,C群で最も高くD群で低かった(p<0.0001).高危険度腺腫検出率(AADR)はA群11.5%,B群23.5%,C群12.1%,D群18.8%で,B群で最も高くA群,C群で低かった(p<0.005).腺腫検出率は性別(男性,女性)ではA群57.8%,45.6%,B群71.3%,51.7%,C群66.3%,47.1% D群55.0%,43.3%と全群で男性が高かった(p<0.0001).年齢別(高齢,若年)ではA群56.6%,48.3%,B群64.8%,61.0%,C群59.7%,58.0%,D群52.9%,43.7%で,高齢者が高いがB群とC群は年齢差が乏しかった.サイズ別(微小,小型以上)ではA群32.5%,20.5%,B群27.5%,35.7%,C群34.1%,24.4%,D群23.8%,25.8%で,A群,C群は微小腺腫,B群は小型大型の腺腫を検出した(P<0.001).局在別(左側,右側)ではA群35.9%,30.5%,B群45.1%,30.0%,C群40.6%,39.1%,D群32.9,22.6%で,B群は左側腺腫の検出率が高く(P<0.0001),C群は左右差がなかった.
【結論】腺腫検出率(ADR),高危険度腺腫検出率(AADR)は検診群で最も高く,平均腺腫個数(APC)はサーベイランス群で最も多かった.いずれも診断内視鏡群で最も低かった.全群で女性より男性の検出率が明らかに高く,検診群とサーベイランス群は若年者も高齢者と同等に検出した.検診精査群は小型大型腺腫と左側病変を検出しやすく,直接スクリーニング群とサーベイランス群は微小腺腫と右側病変を検出しやすかった.
【方法】直接スクリーニング1868例(A群),検診精査スクリーニング2397例(B群),サーベイランス3119例(C群)診断内視鏡2416例(D群)の合計9800例を対象とした.腺腫検出率(ADR)を病理診断のない微小腺腫(1-5mm)を含む腺腫または癌の検出率として,各群のADR,APC,AADRを算出した.またADRを性別,年齢,サイズ,局在別に比較検討した.
【成績】腺腫検出率(ADR)はA群53.0%,B群63.2%,C群58.5%,D群49.6%で,B群で最も高くD群で低かった(p<0.0001).平均腺腫個数(APC)はA群0.91,B群0.99,C群1.28,D群0.65で,C群で最も高くD群で低かった(p<0.0001).高危険度腺腫検出率(AADR)はA群11.5%,B群23.5%,C群12.1%,D群18.8%で,B群で最も高くA群,C群で低かった(p<0.005).腺腫検出率は性別(男性,女性)ではA群57.8%,45.6%,B群71.3%,51.7%,C群66.3%,47.1% D群55.0%,43.3%と全群で男性が高かった(p<0.0001).年齢別(高齢,若年)ではA群56.6%,48.3%,B群64.8%,61.0%,C群59.7%,58.0%,D群52.9%,43.7%で,高齢者が高いがB群とC群は年齢差が乏しかった.サイズ別(微小,小型以上)ではA群32.5%,20.5%,B群27.5%,35.7%,C群34.1%,24.4%,D群23.8%,25.8%で,A群,C群は微小腺腫,B群は小型大型の腺腫を検出した(P<0.001).局在別(左側,右側)ではA群35.9%,30.5%,B群45.1%,30.0%,C群40.6%,39.1%,D群32.9,22.6%で,B群は左側腺腫の検出率が高く(P<0.0001),C群は左右差がなかった.
【結論】腺腫検出率(ADR),高危険度腺腫検出率(AADR)は検診群で最も高く,平均腺腫個数(APC)はサーベイランス群で最も多かった.いずれも診断内視鏡群で最も低かった.全群で女性より男性の検出率が明らかに高く,検診群とサーベイランス群は若年者も高齢者と同等に検出した.検診精査群は小型大型腺腫と左側病変を検出しやすく,直接スクリーニング群とサーベイランス群は微小腺腫と右側病変を検出しやすかった.