講演情報
[R13-4]R0手術を施行したstageIV大腸癌の治療成績
西居 孝文1, 西村 潤也1, 井関 康仁1, 田嶋 哲三1, 長谷川 毅1, 村田 哲洋1, 高台 真太郎1, 櫻井 克宣1, 久保 尚士1, 清水 貞利1, 井上 透1, 前田 清2, 西口 幸雄1 (1.大阪市立総合医療センター消化器外科, 2.大阪公立大学消化器外科)
【はじめに】StageIV大腸癌は原発巣および遠隔転移巣の切除が可能であれば,大腸癌治療ガイドラインにて両者の切除が推奨されている.当院では緩和目的だけでなく根治を視野に入れたstageIV大腸癌に対する原発巣切除を施行している.今回同時性および異時性にR0手術が可能となったstageIV大腸癌について検討した.
【対象と方法】2010年から2019年までにR0切除が可能となったstageIV大腸癌患者57例を対象とした.患者背景,原発巣および遠隔転移巣に対する治療や長期成績等について検討した.
【結果】男性27例,女性30例で年齢中央値は68歳(27-94)であった.術前CEA中央値6ng/ml(1.6-1449),腫瘍径中央値50mm(15-155)で原発巣は右側17例,左側29例,直腸11例であった.原発巣に対する術式は腹腔鏡手術/開腹手術:46/11例で,リンパ節郭清はD2/D3:3/54例であった.遠隔転移臓器は肝臓43例,肺10例,脳1例,リンパ節2例で腹膜播種を3例認めた.遠隔転移巣が先に診断された症例もあり,転移性脳腫瘍に対する術後に原発巣切除を施行したものが1例,転移性肺腫瘍に対する術後に原発巣を切除したものを2例認めた.2例はliver firstで肝転移巣に対する手術を先行した.原発巣と同時に遠隔転移を切除したものは9例(15.8%)あり,原発巣切除前または遠隔転移巣切除前に化学療法が施行されたのは38例(66.6%)であった.R0切除後に補助化学療法を施行したものは26例(45.6%)であった.R0切除後に無再発で経過したものは14例(24.6%)で,全体の5年生存率は60.0%で,無再発生存期間中央値は10.6ヶ月(0.6-156.3)であった.原発巣切除前または遠隔転移巣切除前の化学療法の有無での5年生存率は有り/無:59.2%/63.1%(p=0.75)と差を認めず,転移巣切除後の化学療法有無での5年生存率は有り/無:76.1%/47.0%(p=0.06)と化学療法施行群で良い傾向を認めた.
【まとめ】R0切除後の5年生存率は60.0%と良好であるが,1年以内の再発が多い結果であった.手術前の化学療法の有無での長期成績に差を認めなかったが,R0切除後の化学療法が有益な可能性もあり,今後さらなる症例の蓄積が必要であると思われた.
【対象と方法】2010年から2019年までにR0切除が可能となったstageIV大腸癌患者57例を対象とした.患者背景,原発巣および遠隔転移巣に対する治療や長期成績等について検討した.
【結果】男性27例,女性30例で年齢中央値は68歳(27-94)であった.術前CEA中央値6ng/ml(1.6-1449),腫瘍径中央値50mm(15-155)で原発巣は右側17例,左側29例,直腸11例であった.原発巣に対する術式は腹腔鏡手術/開腹手術:46/11例で,リンパ節郭清はD2/D3:3/54例であった.遠隔転移臓器は肝臓43例,肺10例,脳1例,リンパ節2例で腹膜播種を3例認めた.遠隔転移巣が先に診断された症例もあり,転移性脳腫瘍に対する術後に原発巣切除を施行したものが1例,転移性肺腫瘍に対する術後に原発巣を切除したものを2例認めた.2例はliver firstで肝転移巣に対する手術を先行した.原発巣と同時に遠隔転移を切除したものは9例(15.8%)あり,原発巣切除前または遠隔転移巣切除前に化学療法が施行されたのは38例(66.6%)であった.R0切除後に補助化学療法を施行したものは26例(45.6%)であった.R0切除後に無再発で経過したものは14例(24.6%)で,全体の5年生存率は60.0%で,無再発生存期間中央値は10.6ヶ月(0.6-156.3)であった.原発巣切除前または遠隔転移巣切除前の化学療法の有無での5年生存率は有り/無:59.2%/63.1%(p=0.75)と差を認めず,転移巣切除後の化学療法有無での5年生存率は有り/無:76.1%/47.0%(p=0.06)と化学療法施行群で良い傾向を認めた.
【まとめ】R0切除後の5年生存率は60.0%と良好であるが,1年以内の再発が多い結果であった.手術前の化学療法の有無での長期成績に差を認めなかったが,R0切除後の化学療法が有益な可能性もあり,今後さらなる症例の蓄積が必要であると思われた.