講演情報

[P4-1-2]左側結腸・直腸手術におけるsurgical AIを用いた解剖認識の有用性

北島 徹也1, 小林 直2, 田代 良彦1, 渡辺 誠1, 小澤 慶彰1, 井関 貞仁1, 笹本 優1, 内田 祐介1, 石井 美凪1, 高木 祐希1, 栗岡 辰典1, 松根 佑典1, 幕内 陽亮1, 宮坂 俊1, 伊達 博三1, 渡邊 良平1, 松田 和広1, 草野 智一1, 山崎 公靖1, 青木 武士1 (1.昭和大学消化器・一般外科, 2.アナウト株式会社)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【緒言】
 腹腔鏡下結腸・直腸手術は,高精細画像を提供する内視鏡システムによって腹腔鏡下手術からロボット支援下手術へと徐々に移行しているが,術野における解剖認識は外科医の判断に委ねられている.今回,腹腔鏡下左側結腸・直腸癌手術においてsurgical AIを用いた解剖認識についての経験を報告する.
 【対象・方法】
 アナウト社が開発したSurgical Vision EurekaによるAI画像セグメンテーション技術を使用した.手術ビデオは,当科で行われた腹腔鏡下左側結腸・直腸切除術のビデオ(腹腔鏡下S状結腸切除,腹腔鏡下直腸切除)を用い,下腹神経を含めた膜構造,尿管について,AI画像認識のリアルタイム解析を行なった.
 【結果】AIによる解析は,オリジナル動画から遅延なくリアルタイムに行われており,S状結腸癌・直腸癌手術症例においては,内側アプローチの際にみられる尿管および神経は高精度に認識された.また,剥離層の結合組織は強調表示され,膜構造を区別して認識すること可能であった.
 【結論】surgical AIは微細解剖構造の認識が可能であり,腹腔鏡下結腸・直腸切除におけるAI術中ナビゲーションシステムへの臨床応用が期待される.