講演情報
[O18-1]高齢者の閉塞性大腸癌に対する治療の検討
横田 和子1, 池村 京之介1, 渡部 晃子1, 小嶌 慶太1, 田中 俊道1, 横井 圭悟1, 古城 憲1, 三浦 啓壽1, 山梨 高広1, 佐藤 武郎2, 内藤 剛1 (1.北里大学医学部下部消化管外科学, 2.北里大学医学部付属医学教育研究開発センター医療技術教育研究部門)
【背景・目的】
閉塞性大腸癌に対する緊急での原発切除は周術期合併症の増加が懸念されるため減圧後に待機的に手術することが望ましいが,高齢者においてはADLや併存疾患の程度等に十分配慮した治療が求められる.今回70歳以上の高齢者における閉塞性大腸癌に対する治療成績を明らかにする.
【対象・方法】
2014年~2018年の間に70歳以上の閉塞性大腸癌に対して原発切除術を施行した63症例を対象とし,cross0で減圧加療を行った21例(A群)とcross1以上で保存的加療を行った42例(B群)について手術短期・長期成績を後方視的に検討した.
【結果】
年齢,性別,BMI,ASA-PS,pStageに有意差はなかった.手術時間の中央値はA/B群240(120-589)分/201(102-431)分でありA群で長い傾向にあった(p=0.08).手術直前のPNIの中央値はA/B群で37.1(26.4-52.5)/43.1(26.9-56.3)でありA群で有意に低く(p=0.046),NLRの中央値はA/B群で3.3(1.6-27.3)/2.8(0.8-16.8)でありA群で高い傾向にあった(p=0.07).術後合併症の有無・程度に関しては両群間に有意差はなかったが,術後在院期間の中央値はA/B群11(5-45)日/8(6-35)日でありA群で長い傾向にあった(p=0.05).人工肛門を造設され最終的に閉鎖できず永久となった症例もA群で有意に多かった(p=0.04).再発に関してはA群で再発なし/ありが9/8例,B群は30/5例でA群に有意に多く(p=0.01),RFSの中央値はA/B群19.4(0.57-72.8)か月/56.2(3.23-76.5)か月でありA群で有意に短かった.
【考察】
減圧を行った高齢閉塞性大腸癌患者では,保存的加療を行った患者に比較して短期・長期成績ともに不良であり,改善の余地があると考えられる.
閉塞性大腸癌に対する緊急での原発切除は周術期合併症の増加が懸念されるため減圧後に待機的に手術することが望ましいが,高齢者においてはADLや併存疾患の程度等に十分配慮した治療が求められる.今回70歳以上の高齢者における閉塞性大腸癌に対する治療成績を明らかにする.
【対象・方法】
2014年~2018年の間に70歳以上の閉塞性大腸癌に対して原発切除術を施行した63症例を対象とし,cross0で減圧加療を行った21例(A群)とcross1以上で保存的加療を行った42例(B群)について手術短期・長期成績を後方視的に検討した.
【結果】
年齢,性別,BMI,ASA-PS,pStageに有意差はなかった.手術時間の中央値はA/B群240(120-589)分/201(102-431)分でありA群で長い傾向にあった(p=0.08).手術直前のPNIの中央値はA/B群で37.1(26.4-52.5)/43.1(26.9-56.3)でありA群で有意に低く(p=0.046),NLRの中央値はA/B群で3.3(1.6-27.3)/2.8(0.8-16.8)でありA群で高い傾向にあった(p=0.07).術後合併症の有無・程度に関しては両群間に有意差はなかったが,術後在院期間の中央値はA/B群11(5-45)日/8(6-35)日でありA群で長い傾向にあった(p=0.05).人工肛門を造設され最終的に閉鎖できず永久となった症例もA群で有意に多かった(p=0.04).再発に関してはA群で再発なし/ありが9/8例,B群は30/5例でA群に有意に多く(p=0.01),RFSの中央値はA/B群19.4(0.57-72.8)か月/56.2(3.23-76.5)か月でありA群で有意に短かった.
【考察】
減圧を行った高齢閉塞性大腸癌患者では,保存的加療を行った患者に比較して短期・長期成績ともに不良であり,改善の余地があると考えられる.