講演情報
[P13-2-7]大腸がん手術症例におけるALBIスコアの臨床的意義
毛利 靖彦, 高木 理英子, 山本 真優, 横山 歩乃加, 山本 晃, 森本 雄貴, 横江 毅, 尾嶋 英紀 (三重県立総合医療センター消化器・一般外科)
目的 ALBIスコアは,血液生化学的検査データ(総ビリルビン値,アルブミン)を用いたスコアリングシステムで肝予備能を評価するために用いられている.今回,我々は,大腸癌手術症例におけるALBIスコアと臨床病理学的所見の関係について検討する.
方法 大腸癌の診断で原発巣を切除した148例(男性:女性=98:50,年齢中央値71歳)を対象とした.術後合併症発生率および全生存率とALBIスコアとの関連について検討した.ALBIスコアは(log10 total bilirubin[mg/dL]×0.66)+(albumin[g/dL]×10×-0.085)で算出し,ROC曲線でカットオフ値を設定した.ALBIスコアが術後合併症と無再発生存期間,全生存期間などに与える影響を検討した.
結果 ALBIスコア中央値は,-2.64でカットオフ値-2.66に設定した.ALBIスコア高値群80例(54%),低値群68例(46%)であった.術後合併症発生率はALBIスコア高値群で37.5%,低値群で13.24%と有意に高値群で発生率が高かった(P=0.001).また,全生存率のおける5年生存率は,ALBIスコア高値群で65%,低値群で86.2%と高値群で有意に予後不良であった(P<0.001).非根治手術症例を除いた無再発生存率における5年無再発生存率は,ALBIスコア高値群で69.1%,低値群で87.7%と高値群で有意に予後不良であった(P<0.001).
結語 ALBIスコアは大腸手術症例における術後短期および長期成績の指標になることが示唆された.
方法 大腸癌の診断で原発巣を切除した148例(男性:女性=98:50,年齢中央値71歳)を対象とした.術後合併症発生率および全生存率とALBIスコアとの関連について検討した.ALBIスコアは(log10 total bilirubin[mg/dL]×0.66)+(albumin[g/dL]×10×-0.085)で算出し,ROC曲線でカットオフ値を設定した.ALBIスコアが術後合併症と無再発生存期間,全生存期間などに与える影響を検討した.
結果 ALBIスコア中央値は,-2.64でカットオフ値-2.66に設定した.ALBIスコア高値群80例(54%),低値群68例(46%)であった.術後合併症発生率はALBIスコア高値群で37.5%,低値群で13.24%と有意に高値群で発生率が高かった(P=0.001).また,全生存率のおける5年生存率は,ALBIスコア高値群で65%,低値群で86.2%と高値群で有意に予後不良であった(P<0.001).非根治手術症例を除いた無再発生存率における5年無再発生存率は,ALBIスコア高値群で69.1%,低値群で87.7%と高値群で有意に予後不良であった(P<0.001).
結語 ALBIスコアは大腸手術症例における術後短期および長期成績の指標になることが示唆された.