講演情報

[P4-1-1]消化器外科診療におけるAI関連デバイスの活用

南 壮一郎1,2, 三吉 範克2, 藤野 志季2, 関戸 悠紀2, 波多 豪2, 浜部 敦史2, 荻野 崇之2, 植村 守2, 土岐 祐一郎2, 江口 英利2 (1.近畿大学奈良病院消化器外科, 2.大阪大学消化器外科)
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Artificial intelligence(AI)の開発は目覚ましい進歩が認められ,日常生活でも様々な場面でAIが活用されてきている.医療分野でも診断にAIを用いる試みに加えて一部では臨床応用が始められている.
我々は,消化器外科領域における周術期医療に関するAIの活用と実装を目指した外科領域にfocusを絞った研究をすすめている.
特に腹腔鏡手術では,実際に臓器が触知できないなどの制限があることから,そうした場面にAIが活用できないかと研究を行ってきた.
実際,AIを用いた画像診断・評価技術として,術前CT画像から3D画像を構築し,仮想現実/拡張現実技術を応用して手術前のシミュレーションに用いる試みを進めてきた.
複数のメンバーが情報を共有することで,特にチームで手術を行うことが重要な内視鏡手術においてAI技術やウェアラブルデバイスを用いた利点を生かすような研究開発を進めている.
CT画像を用いた術前画像データから3Dモデルを構築して手術支援システムとして外科手術に応用する取り組みを行ってきたが,これらの画像情報処理技術をさらに応用することで解剖学的位置関係や病変部位に対する至適な切除範囲,周囲の温存すべき臓器との位置関係を理解するのみならず,その情報を遠隔にいるチームとも共有することが可能となるデバイスをとプラットフォームを独自の技術で構築することができた.
また,これらを用いることで救急や夜間の他科からのコンサルトをチームで共有し,より適切な治療に繋がるのではないかと考えた.
今回,消化器外科領域におけるAI関連機器を用いた腹腔鏡手術の工夫について,我々の取り組みを報告する.