講演情報

[R3-5]ロボット支援下直腸手術におけるsurgical AIナビゲーションを用いた剥離層認識の有用性

渡邊 良平1, 小林 直2, 田代 良彦1, 髙木 祐希1, 栗岡 辰典1, 幕内 陽亮1, 宮坂 俊1, 篠原 由加里1, 笹本 優1, 井関 貞仁1, 北島 徹也1, 冨岡 幸大1, 小沢 慶彰1, 柴田 英貴1, 伊達 博三1, 松田 和広1, 草野 智一1, 山崎 公靖1, 渡辺 誠1, 青木 武士1 (1.昭和大学消化器・一般外科, 2.アナウト株式会社)
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【緒言】
鏡視下直腸手術の内側アプローチにおいて,下腹神経は,剥離層の認識する上で重要と考えられるが,しばしば誤認するリスクがある.特にロボット支援下手術では,Solo surgeryであることが多く,誤認リスクを減少するためには,手術チーム内での剥離層の共通認識を得ることが,合併症の回避・教育においても重要であると考えられる.
今回われわれは,ロボット支援下直腸手術の剥離層認識におけるSurgical AIナビゲーションの有用性について報告する.
【対象・方法】
アナウト社が,開発したSurgical AI:Eurekaを用い,ロボット支援下直腸手術における剥離層認識の有用性について検討した.
ロボット支援下直腸手術動画を医学部学生10人に見せ,①下腹神経の認識率,②剥離層の認識率を,『AIナビゲーションを用いない場合』と『AIナビゲーションを用いた場合』とで比較検討した.
【結果】
『AIナビゲーションを用いない場合』の①下腹神経の認識率は,10%であり,②剥離層の認識率は20%であった.『AIナビゲーションを用いた場合』の①下腹神経の認識率は,100%であり,②剥離層の認識率は100%であった.AIを用いることで,①下腹神経の認識率,②剥離層の認識率ともに,有意に改善された(①:P=0.0003,②:P=0.0007).
【結語】
ロボット支援下直腸手術において,AIナビゲーションを用いることで下腹神経および剥離層の認識率を有意に改善した.