講演情報

[P11-1-3]当院で経験した扁平コンジローマの一例

門田 雅生1, 黒川 彰夫2 (1.門田外科医院, 2.黒川梅田診療所)
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梅毒症例は近年増加傾向にあると言われているが実際に経験することは稀であることからその知見を共有することは重要と考え,今回当院で経験した扁平コンジローマ症例について臨床経過と病理所見について報告する.
 症例は70代男性,肛門に腫瘤ができたことを主訴に当院受診.初診時に肛門縁3時に3cmx2.5cmの潰瘍を伴う扁平な隆起性病変と,8時に2.5cm x 1.5cmの扁平な有茎性病変を認め,肉眼所見と血液検査から梅毒第2期の扁平コンジローマを疑った.診断確定のため8時の病変の切除と3時の病変にはincisional biopsyを行った.治療としてアモキシシリン1500mg/日の投与を行ったところ,3時方向の潰瘍性病変は投与開始後3日目には縮小を認め,18日目にはほぼ消失した.血液検査では投与開始後32日目にはRPR値に変化を認めなかったが,63日目には治療前の1/4まで減少を認めた.組織学的には潰瘍性病変の有棘層に多数の形質細胞浸潤と過形成を認め,免疫染色にて極めて多数のトレポネーマの存在を確認できた.
 この症例の肉眼所見と血液検査の経過中の推移,病理所見について報告する.