講演情報
[O11-1]直腸癌における経腹的ロボット支援手術と経肛門的アプローチの併用(hybrid手術)の安全性について
市原 もも子, 奥谷 浩一, 秋山 有史, 伊東 竜哉, 野田 愛, 小川 宰司, 三代 雅明, 石井 雅之, 三浦 亮, 豊田 真帆, 木村 明菜, 岡本 行平, 竹政 伊知朗 (札幌医科大学附属病院消化器・総合,乳腺・内分泌外科)
【背景】ロボット支援手術は関節機能や手振れ防止機能などを備えていることにより腹腔鏡下手術と比較して精緻な手術が可能で,より良好な短期成績が得られ得る.骨盤深部での操作が必要な直腸癌においては手術の難易度は依然として高い.加えて術前治療を使用することで手術難度がより高くなってくると考えられている.この課題解決の一つとしての経肛門的アプローチは,腫瘍までのアクセス性が比較的良好であり,distal marginの確認が行いやすいという利点がある.以上より,当科では下部直腸癌に対しては経腹的アプローチをロボット支援手術で行い,同時に経肛門的アプローチを腹腔鏡下(もしくはロボット支援)手術で行っている(hybrid手術).これにより,各々の利点を享受することが可能となると考えている.
【方法・結果】2017年から2023年にかけて,当科にて初発の下部進行直腸癌・肛門管癌に対してhybrid手術を施行しCRMが測定されている症例についての安全性を後方視的に検討した.全204症例であり,女性;68例/男性;136例,年齢中央値;65歳,主座はRbRa;12例/Rb;144例/RbP;36例/P;12例,StageI;49例/II;95例/III;38例/IV;22例,術前治療有;150例/無;54例,低位前方切除術;33例/超低位前方切除術;29例/括約筋間直腸切除術56例/Hartmann手術;2例/腹会陰式直腸切断術;80例/骨盤内臓全摘術;4例,側方郭清有;114例/無;90例,中央値コンソール時間;136分,中央値出血量;25ml,中央値術後在院日数;18日,CRM陽性;24例/陰性;180例,中央値郭清リンパ節個数;25個であった.また術前治療有症例のみでは,女性;47例/男性;103例,年齢中央値;64.5歳,主座はRbRa;10例/Rb;107例/RbP;26例/P;7例,低位前方切除術;27例/超低位前方切除術;24例/括約筋間直腸切除術;37例/腹会陰式直腸切断術;58例/骨盤内臓全摘術;4例,側方郭清有;113例/無;37例,中央値コンソール時間;140.5分,中央値出血量;32.5ml,中央値術後在院日数;19日,CRM陽性;18例/陰性;132例,中央値郭清リンパ節個数;27個であった.
【結論】下部直腸癌に対して,hybrid手術は安全に施行可能であると考えられた.また,術前治療がある症例においても安全に施行可能であると考えられた.
【方法・結果】2017年から2023年にかけて,当科にて初発の下部進行直腸癌・肛門管癌に対してhybrid手術を施行しCRMが測定されている症例についての安全性を後方視的に検討した.全204症例であり,女性;68例/男性;136例,年齢中央値;65歳,主座はRbRa;12例/Rb;144例/RbP;36例/P;12例,StageI;49例/II;95例/III;38例/IV;22例,術前治療有;150例/無;54例,低位前方切除術;33例/超低位前方切除術;29例/括約筋間直腸切除術56例/Hartmann手術;2例/腹会陰式直腸切断術;80例/骨盤内臓全摘術;4例,側方郭清有;114例/無;90例,中央値コンソール時間;136分,中央値出血量;25ml,中央値術後在院日数;18日,CRM陽性;24例/陰性;180例,中央値郭清リンパ節個数;25個であった.また術前治療有症例のみでは,女性;47例/男性;103例,年齢中央値;64.5歳,主座はRbRa;10例/Rb;107例/RbP;26例/P;7例,低位前方切除術;27例/超低位前方切除術;24例/括約筋間直腸切除術;37例/腹会陰式直腸切断術;58例/骨盤内臓全摘術;4例,側方郭清有;113例/無;37例,中央値コンソール時間;140.5分,中央値出血量;32.5ml,中央値術後在院日数;19日,CRM陽性;18例/陰性;132例,中央値郭清リンパ節個数;27個であった.
【結論】下部直腸癌に対して,hybrid手術は安全に施行可能であると考えられた.また,術前治療がある症例においても安全に施行可能であると考えられた.