講演情報
[O5-2]地方中規模病院におけるロボット支援下右側結腸切除の手術手技と短期成績
南 宏典, 冨田 瑞歩, 山崎 祐樹, 山口 紫, 中村 慶史, 石井 要, 尾山 勝信 (公立松任石川中央病院外科)
【はじめに】
ロボット支援下結腸切除は全国で導入が進んでいるが,中規模以下の病院での報告はまだ少ない.当院は一般病床数275床,年間大腸癌原発切除80件程度の地方中規模病院であるが,2022年8月より右側結腸癌に対するロボット手術を開始し継続的かつ安全に施行できているため,手術手技を供覧するとともに短期成績について報告する.
【手術手技】
当院はda Vinci Xi Surgical System™を導入しており,大腸外科医3名が執刀している.下腹部正中にPfannenstiel切開を置き,逆L字に4本のda Vinciポートを留置し,左側腹部に1本の助手ポートを留置している.頭低位・左側低位とし,小腸を頭側・左側に排除後Patient Cartを患者右側よりドッキングする.後腹膜アプローチ先行で結腸を授動し,リンパ節郭清の後に頭側アプローチを行い授動を終了する.現在,吻合はSureFormを用いた体腔内での機能的端々吻合(FEEA)を主とし,症例・術者に応じ体腔内Delta吻合または体腔外FEEAを行っている.
【対象・方法】
2022年8月から2024年4月にロボット支援下右側結腸切除を施行した49例を対象とし,その短期成績について検討した.
【結果】
年齢中央値は77歳(45-93歳),男性26例,女性23例であった.局在はC/A/Tそれぞれ15/29/5例,進行度は0/I/II/III/IVがそれぞれ3/18/13/8/7であった.術式は回盲部切除30例,結腸右半切除14例,拡大結腸右半切除5例であった.アプローチは後腹膜アプローチ先行7例,内側アプローチ先行42例で,吻合は体腔外FEEA 21例,体腔内FEEA13例,体腔内Delta15例であった.体腔内吻合開始初期の1例で小腸-結腸吻合時に漿膜を損傷したため吻合孔を手縫いで閉鎖したが,その他術中合併症や開腹・腹腔鏡移行は認めなかった.手術時間,コンソール時間,出血量,術後在院日数はそれぞれ中央値267分(130-500分),175分(60-427分),10g(1-120g),10日(7-98日)であった.Grade III以上の術後合併症は2例(麻痺性イレウス(IIIa),十二指腸潰瘍穿孔(IIIb))で認めた.
【結語】
地方中規模病院においてもロボット支援下結腸切除は比較的良好な短期成績を得ることができた.今後はさらに症例を集積し,長期予後の検討が必要である.
ロボット支援下結腸切除は全国で導入が進んでいるが,中規模以下の病院での報告はまだ少ない.当院は一般病床数275床,年間大腸癌原発切除80件程度の地方中規模病院であるが,2022年8月より右側結腸癌に対するロボット手術を開始し継続的かつ安全に施行できているため,手術手技を供覧するとともに短期成績について報告する.
【手術手技】
当院はda Vinci Xi Surgical System™を導入しており,大腸外科医3名が執刀している.下腹部正中にPfannenstiel切開を置き,逆L字に4本のda Vinciポートを留置し,左側腹部に1本の助手ポートを留置している.頭低位・左側低位とし,小腸を頭側・左側に排除後Patient Cartを患者右側よりドッキングする.後腹膜アプローチ先行で結腸を授動し,リンパ節郭清の後に頭側アプローチを行い授動を終了する.現在,吻合はSureFormを用いた体腔内での機能的端々吻合(FEEA)を主とし,症例・術者に応じ体腔内Delta吻合または体腔外FEEAを行っている.
【対象・方法】
2022年8月から2024年4月にロボット支援下右側結腸切除を施行した49例を対象とし,その短期成績について検討した.
【結果】
年齢中央値は77歳(45-93歳),男性26例,女性23例であった.局在はC/A/Tそれぞれ15/29/5例,進行度は0/I/II/III/IVがそれぞれ3/18/13/8/7であった.術式は回盲部切除30例,結腸右半切除14例,拡大結腸右半切除5例であった.アプローチは後腹膜アプローチ先行7例,内側アプローチ先行42例で,吻合は体腔外FEEA 21例,体腔内FEEA13例,体腔内Delta15例であった.体腔内吻合開始初期の1例で小腸-結腸吻合時に漿膜を損傷したため吻合孔を手縫いで閉鎖したが,その他術中合併症や開腹・腹腔鏡移行は認めなかった.手術時間,コンソール時間,出血量,術後在院日数はそれぞれ中央値267分(130-500分),175分(60-427分),10g(1-120g),10日(7-98日)であった.Grade III以上の術後合併症は2例(麻痺性イレウス(IIIa),十二指腸潰瘍穿孔(IIIb))で認めた.
【結語】
地方中規模病院においてもロボット支援下結腸切除は比較的良好な短期成績を得ることができた.今後はさらに症例を集積し,長期予後の検討が必要である.