講演情報
[VPD3-8]下部消化管穿孔・穿通に対する腹腔鏡下手術症例
松永 圭悟, 松田 圭二, 西川 武司, 安田 幸嗣, 孫 敏莉, 近藤 里江, 朴 成進, 武井 芳樹, 野地 秀一, 前田 守 (同愛記念病院外科)
【背景】下部消化管穿孔症例に対する腹腔鏡下手術の安全性は確立されていない.また当院のような中規模病院では,夜間休日の緊急腹腔鏡下手術は,人員確保の点から困難なことも多い.比較的全身状態の保たれている症例については保存的加療ののちに待機的に腹腔鏡下手術を行っているが,一方で入院期間の延長等の弊害も存在する.
【目的】下部消化管穿孔・穿通症例に対する腹腔鏡下手術の有用性,症例選択の妥当性を検討する.
【対象・方法】当院で2022年4月1日から2024年3月31日までに小腸を含む下部消化管穿孔に対して手術加療を行った12例のうち,腹腔鏡手術を行った3例について後方視的に検討した.
【結果】<症例1>30歳男性,既往:特記事項なし,S状結腸憩室穿通による腸間膜膿瘍に対し,絶飲食+抗菌薬投与で膿瘍の縮小を図ったのち,腹腔鏡補助下S状結腸切除術(手術時間 5:12,出血量 16ml)を行った.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.
<症例2>64歳男性,既往:特記事項なし,S状結腸癌による大腸閉塞,S状結腸穿孔,骨盤内膿瘍に対して絶飲食+抗菌薬投与で加療したのち,腹腔鏡補助下S状結腸切除術(手術時間 4:39,出血量 31ml)を行った.術後に逆行性のドレーントラクト感染を起こし抗菌薬加療を要したが,術後19日目に退院となった.
<症例3>33歳男性,既往:特記事項なし,上行結腸憩室穿通による腸間膜膿瘍に対し,絶飲食+抗菌薬投与で加療したのち,腹腔鏡補助下結腸右半切除術(手術時間 4:24,出血量 77ml)を行った.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.
【結語】下部消化管穿孔・穿通症例のうち,若年で合併症がなく全身状態の安定している症例については,保存的加療ののち待機的に腹腔鏡下手術を行うことが可能であった.
【目的】下部消化管穿孔・穿通症例に対する腹腔鏡下手術の有用性,症例選択の妥当性を検討する.
【対象・方法】当院で2022年4月1日から2024年3月31日までに小腸を含む下部消化管穿孔に対して手術加療を行った12例のうち,腹腔鏡手術を行った3例について後方視的に検討した.
【結果】<症例1>30歳男性,既往:特記事項なし,S状結腸憩室穿通による腸間膜膿瘍に対し,絶飲食+抗菌薬投与で膿瘍の縮小を図ったのち,腹腔鏡補助下S状結腸切除術(手術時間 5:12,出血量 16ml)を行った.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.
<症例2>64歳男性,既往:特記事項なし,S状結腸癌による大腸閉塞,S状結腸穿孔,骨盤内膿瘍に対して絶飲食+抗菌薬投与で加療したのち,腹腔鏡補助下S状結腸切除術(手術時間 4:39,出血量 31ml)を行った.術後に逆行性のドレーントラクト感染を起こし抗菌薬加療を要したが,術後19日目に退院となった.
<症例3>33歳男性,既往:特記事項なし,上行結腸憩室穿通による腸間膜膿瘍に対し,絶飲食+抗菌薬投与で加療したのち,腹腔鏡補助下結腸右半切除術(手術時間 4:24,出血量 77ml)を行った.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.
【結語】下部消化管穿孔・穿通症例のうち,若年で合併症がなく全身状態の安定している症例については,保存的加療ののち待機的に腹腔鏡下手術を行うことが可能であった.