講演情報

[P20-1-6]コラーゲンフィルム付メッシュを加工して腹腔鏡下Sugarbaker法で修復した傍ストーマヘルニアの1例

内藤 敦1, 吉原 輝一1, 大原 信福1, 岩本 和哉2, 高橋 秀和2, 松田 宙2, 能浦 真吾1 (1.堺市立総合医療センター, 2.大阪警察病院)
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【はじめに】
傍ストーマヘルニアは頻度の高い合併症であるが,その治療方針に確立されたものはない.その中でParietex™ composite parastomal mesh(Covidien社)を用いたSugarbaker法の良好な成績が報告されていたが,現在メーカーの自主回収の為,仕様することができない.今回,我々は腹壁瘢痕ヘルニアに用いるSymbotex™ composite mesh(Covidien社)を用いた腹腔鏡下Sugarbakaer法を経験したので報告する.
【症例】
89歳,女性.下部直腸癌に対してロボット支援下ハルトマン手術(S状結腸ストーマ)を施行し無再発経過中である.術後1年頃より傍ストーマヘルニアを認め,1年4か月,2年1か月,2年5か月と頻回にヘルニア嵌頓で来院し,手術の方針となった.
【手術所見】
仰臥位にて手術を開始し,右上腹部に12mmポート,上腹部正中,右中下腹部の4ポートで手術を開始した.ヘルニア門直下,ストマ周囲に小腸の癒着を認め剥離を行った.75×45mm大のヘルニア門を認め,頭側側のヘルニア門を2号ナイロン糸2針で縫縮した.Symbotex mesh 30×20cmを二つ折りにして全体が17cm,折り返し部分が10cmとなるように形成し3-0バイクリルで縫合固定し,メッシュの外側四角にナイロン糸を縫合固定した.腸管とメッシュの接する部分がコーティング部分となるようにタッカーでメッシュを固定し,手術を終了した.
【術後経過】
術後経過良好で7日目に退院した.術後1年無再発で経過中である.
【まとめ】
Symbotexを用いて施行した腹腔鏡下Sugarbaker法は,安全で有用な術式と思われた.