講演情報
[P11-2-7]当院における臀部慢性膿皮症症例の検討
山田 真美1, 宮崎 道彦1,2, 田中 玲子1, 高橋 佑典2, 河合 賢二2, 徳山 信嗣2, 加藤 健志2, 平尾 素宏2 (1.どうじん会道仁病院, 2.国立病院機構大阪医療センター)
(はじめに)膿皮症は,化膿性汗腺炎とも言われ,アポクリン汗腺に蓄積した分泌地物に細菌感染が起こり,発症する.臨床的には炎症の寛解,再燃を繰り返し,徐々に病変が拡大していくもので,広範囲の膿皮症では治療に難渋することも珍しくない.今回我々の施設で経験した膿皮症症例について調査,検討したので報告する.
(対象と方法)2005年~2024年3月の期間に,当院で臀部慢性膿皮症に対し手術加療を行った76例を対象とした.性別は男性74例,女性2例,年齢は18歳~86歳(中央値49歳)であった.膿皮症に対する術式としては,腰椎麻酔下に瘻管開創と膿皮切除を組み合わせた術式を基本とし,痔瘻並存症例に対しては各々の痔瘻に準じた術式を併用している.術後の総部は開放創とし,再建は行なわない.
(結果)膿皮症に対する術式は,9例(11.8%)で瘻管開創が選択されていたが,67例(88.2%)では膿皮切除が行われていた.76例のうち,2例では計画的分割手術が行われており,19例(25%)では遺残または再発を認め,再手術を要した.肛門疾患の並存の有無は,II型痔瘻との合併が16例(21.2%),III型痔瘻との合併が10例(13.2%),痔核との合併が7例(9.2%),痔瘻術後症例が1例(1.3%),膿皮症単独症例が43例(56.6%)であった.痔瘻に対する術式は,Hanley法が2例,原発口閉鎖が3例,lay open法が12例,seton法が12例であった.痔核に対する術式はLE単独が3例,RBL単独が2例,LEとRBLの併用が2例であった.術後在院日数は0日~28日(中央値7日)であった.
(結語)臀部慢性膿皮症の外科治療においては,在院日数にはばらつきがあるものの,概ね1週間程度の入院を要した.また,遺残および再発例を25%に認め,治療計画の逸脱,再発の可能性を念頭に置いて治療に臨むべきであると考えられた.
(対象と方法)2005年~2024年3月の期間に,当院で臀部慢性膿皮症に対し手術加療を行った76例を対象とした.性別は男性74例,女性2例,年齢は18歳~86歳(中央値49歳)であった.膿皮症に対する術式としては,腰椎麻酔下に瘻管開創と膿皮切除を組み合わせた術式を基本とし,痔瘻並存症例に対しては各々の痔瘻に準じた術式を併用している.術後の総部は開放創とし,再建は行なわない.
(結果)膿皮症に対する術式は,9例(11.8%)で瘻管開創が選択されていたが,67例(88.2%)では膿皮切除が行われていた.76例のうち,2例では計画的分割手術が行われており,19例(25%)では遺残または再発を認め,再手術を要した.肛門疾患の並存の有無は,II型痔瘻との合併が16例(21.2%),III型痔瘻との合併が10例(13.2%),痔核との合併が7例(9.2%),痔瘻術後症例が1例(1.3%),膿皮症単独症例が43例(56.6%)であった.痔瘻に対する術式は,Hanley法が2例,原発口閉鎖が3例,lay open法が12例,seton法が12例であった.痔核に対する術式はLE単独が3例,RBL単独が2例,LEとRBLの併用が2例であった.術後在院日数は0日~28日(中央値7日)であった.
(結語)臀部慢性膿皮症の外科治療においては,在院日数にはばらつきがあるものの,概ね1週間程度の入院を要した.また,遺残および再発例を25%に認め,治療計画の逸脱,再発の可能性を念頭に置いて治療に臨むべきであると考えられた.