講演情報

[SP1-3]シニア世代の女性大腸外科医からのメッセージ

竹下 惠美子 (獨協医科大学埼玉医療センター外科)
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総務省の「労働力調査」によると,女性の就業率は50%を超えている.医学部入学生の女性比率も近年では50%を占める勢いにある.一方,長時間労働や緊急手術が多い外科分野への入局者は減少傾向にあり,男女問わずどのように志望者を増やし,かつ継続可能なキャリア形成を実現するかは喫緊の課題である.女性医師に関しては,職場環境,家庭環境(婚姻状態,子の有無,介護等),ライフステージによる多様な課題が存在し,「女性医師問題」として一括りに議論することは困難である.様々なロールモデルが身近に存在する環境が理想ではあるが,指導的立場にいる女性医師は少ないため,施設を超えた横のつながりを構築する必要性を感じる.
 私はストレート研修で外科に入局してから30年間,キャリアの中断なく外科医として就労してきたが,昨今報告されたように同年代男性医師と比較して手術経験症例数が少なく,また50代に入ってからやっと取得できた専門医資格もある.
自身の経験を通して,女性外科医師の課題と将来展望について考察する.