講演情報
[AL-1]2025年学術賞受賞者 大腸手術の臨床研究~観察研究からエビデンス発信と教育~
肥田 侯矢1, 岡村 亮輔1, 西崎 大輔1, 住井 敦彦1, 藤井 佑介1, 梅本 芳寿1, 藤田 覇留久1, 吉田 真也2, 藤田 悠介3, 川口 清貴1, 尾地 伸悟1, 甲津 卓実1, 金城 洋介4, 錦織 達人5, 星野 伸晃1, 板谷 喜朗1, 坂井 義治6, 小濵 和貴1, 渡邊 昌彦7, 内藤 剛8 (1.京都大学消化管外科, 2.天理よろづ相談所病院消化器外科, 3.関西医科大学下部消化管外科, 4.姫路医療センター消化器外科, 5.京都市立病院総合外科, 6.大阪赤十字病院, 7.西麻布メディカルクリニック, 8.北里大学一般・消化器外科)

このたびは、日本大腸肛門病学会学術賞という栄誉ある賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。私は20年にわたり大腸癌の臨床研究に携わってまいりました。本講演では、多機関共同観察研究の成果と、それを支える事務局運営、さらに次世代教育についてご報告いたします。
多機関共同研究の推進には参加施設の先生方の協力が不可欠であり、これまで大腸癌研究会や腹腔鏡下大腸切除研究会を通じて全国の多くの施設にご参加いただきましたこと、深く感謝しています。事務局運営では「最小限のエフォートで最大限のエビデンスを得る」を信条とし、臨床に直結するテーマ設定、調査項目の妥当性と実行可能性の吟味を徹底してまいりました。項目採用の基準は「論文の1行になるかどうか」であり、紙ベース時代にはA4用紙1枚に収まる50項目を目安とし、EDC時代の現在も“項目へのこだわり”を大切にしています。さらに大学院生へ事務局業務を継承することで、研究の持続性と次世代育成を両立してきました。
これまでの代表的成果として、
①Stage IV大腸癌に対する腹腔鏡下手術(2009年研究開始、事務局:肥田・金城)。41施設904例を集積し、2012年Ann Surgに主論文を発表、副論文4本を出版。
②下部進行直腸癌に対する腹腔鏡手術(2013年研究開始、事務局:肥田・岡村)。69施設1500例を集積し、2018年Ann Surgに主論文を発表、副論文3本を出版。
③下部進行直腸癌に対する側方リンパ節郭清(2017年研究開始、事務局:岡村・西﨑・住井)。術前MRI中央判定と予後調査を行い、2021年に主論文を発表、副論文6本を出版。
④潰瘍性大腸炎に対する手術(2021年研究開始、事務局:吉田・藤井・川口・尾地)。48施設より1500例を集積し、2025年5月にSurg Endosc採択、副次解析を継続中。
自施設以外に他機関主導研究で、アドバイザーとして直腸癌術後機能障害を扱うLANDMARC study、技術認定医の有用性を検証するEnSSURE studyなどに参加してきました。
本賞を励みとして、今後も大腸外科臨床研究の推進と次世代の育成に尽力してまいりたいと考えます。
多機関共同研究の推進には参加施設の先生方の協力が不可欠であり、これまで大腸癌研究会や腹腔鏡下大腸切除研究会を通じて全国の多くの施設にご参加いただきましたこと、深く感謝しています。事務局運営では「最小限のエフォートで最大限のエビデンスを得る」を信条とし、臨床に直結するテーマ設定、調査項目の妥当性と実行可能性の吟味を徹底してまいりました。項目採用の基準は「論文の1行になるかどうか」であり、紙ベース時代にはA4用紙1枚に収まる50項目を目安とし、EDC時代の現在も“項目へのこだわり”を大切にしています。さらに大学院生へ事務局業務を継承することで、研究の持続性と次世代育成を両立してきました。
これまでの代表的成果として、
①Stage IV大腸癌に対する腹腔鏡下手術(2009年研究開始、事務局:肥田・金城)。41施設904例を集積し、2012年Ann Surgに主論文を発表、副論文4本を出版。
②下部進行直腸癌に対する腹腔鏡手術(2013年研究開始、事務局:肥田・岡村)。69施設1500例を集積し、2018年Ann Surgに主論文を発表、副論文3本を出版。
③下部進行直腸癌に対する側方リンパ節郭清(2017年研究開始、事務局:岡村・西﨑・住井)。術前MRI中央判定と予後調査を行い、2021年に主論文を発表、副論文6本を出版。
④潰瘍性大腸炎に対する手術(2021年研究開始、事務局:吉田・藤井・川口・尾地)。48施設より1500例を集積し、2025年5月にSurg Endosc採択、副次解析を継続中。
自施設以外に他機関主導研究で、アドバイザーとして直腸癌術後機能障害を扱うLANDMARC study、技術認定医の有用性を検証するEnSSURE studyなどに参加してきました。
本賞を励みとして、今後も大腸外科臨床研究の推進と次世代の育成に尽力してまいりたいと考えます。