講演情報
[O1-7]ポート変換を利用した直腸固有間膜処理の工夫
南村 圭亮1, 松本 智司1, 山岸 杏彌1, 上田 康二1, 中村 慶春1, 吉田 寛2 (1.日本医科大学千葉北総病院, 2.日本医大付属病院)
ロボット食道、膵臓領域では術中ポート配置を変換し効率の良い操作を行っている。直腸切除時の固有間膜処理の手技の工夫を供覧する。
(方法)直腸切除時のポート配置は通常の右肩上がりの5ポートで助手のアシストポートは右上腹部に配置した。直腸授動までは1stアーム、フェネステレイティッドバイポーラ(フェネバイ), 2nd カメラ, 3rdモノポーラーシザーズ(MCS), 4th、TIP-UPグラスパを使用している。通常ポート配置では直腸牽引は助手のみの牽引で間膜処理の際、バイポーラ鉗子と直腸牽引の軸が平行に近く、鉗子が死角となり焼灼時に腸管熱傷の危険性があること、過度の回外操作での術者手首の負担および操作性の低下を認めること、アームシャフト接触による視野の不安定性を認めることから、①st、TIP-UP ②nd フェネバイ③rd カメラ④th MCSにポート配置を交換する(ポートスイッチ法、PS法)。バイポーラ鉗子の可動領域の拡大やカメラ刺入位置の変換により固有間膜を直角に直視、処理でき、更にTIP-UP用いて固有間膜の牽引軸を適宜変換し、視野を固定し、切離ラインを正確に設定できる手技を行っている。高度肥満症例等、直腸固有間膜が肥厚している症例はベッセルシーラーを使用し、ダブルバイポーラー法(Forcetriad Macrocut60および内装のerbe power limit 80, Effect6~8)を使い分けている。
(結果)直腸切除72例 HAR23,LAR49例。通常法15例、PS法57例。間膜処理時間は通常法26.0±10.1, PS法20.0±8.0(p-0.017)で有意に短かった。通常法は全例MCSで行われており、PS法のMCSが短かった。26vs22分。PS法HAR13,LAR44例ではLAR(20分)がHAR(18分)と処理時間は変わらなかった。PS法ではMCS 25, ベッセルシーラー24,ダブルバイポーラー法8例であったが、処理時間は21.9, 16.8 23.7分でありベッセルシーラーが有意に短かった。BMI<24 18分、BMI≧2422.7分と肥満症例で長かった(p-0.03)。また、プロクター取得前MCS10例と取得後15例では取得後の方が短かった。(25vs18分)p-0.046
(結語)ポート配置を変換することで再現性の高いロボット大腸手術が可能となり、安全性、根治性、機能性を向上する手術が期待される。
(方法)直腸切除時のポート配置は通常の右肩上がりの5ポートで助手のアシストポートは右上腹部に配置した。直腸授動までは1stアーム、フェネステレイティッドバイポーラ(フェネバイ), 2nd カメラ, 3rdモノポーラーシザーズ(MCS), 4th、TIP-UPグラスパを使用している。通常ポート配置では直腸牽引は助手のみの牽引で間膜処理の際、バイポーラ鉗子と直腸牽引の軸が平行に近く、鉗子が死角となり焼灼時に腸管熱傷の危険性があること、過度の回外操作での術者手首の負担および操作性の低下を認めること、アームシャフト接触による視野の不安定性を認めることから、①st、TIP-UP ②nd フェネバイ③rd カメラ④th MCSにポート配置を交換する(ポートスイッチ法、PS法)。バイポーラ鉗子の可動領域の拡大やカメラ刺入位置の変換により固有間膜を直角に直視、処理でき、更にTIP-UP用いて固有間膜の牽引軸を適宜変換し、視野を固定し、切離ラインを正確に設定できる手技を行っている。高度肥満症例等、直腸固有間膜が肥厚している症例はベッセルシーラーを使用し、ダブルバイポーラー法(Forcetriad Macrocut60および内装のerbe power limit 80, Effect6~8)を使い分けている。
(結果)直腸切除72例 HAR23,LAR49例。通常法15例、PS法57例。間膜処理時間は通常法26.0±10.1, PS法20.0±8.0(p-0.017)で有意に短かった。通常法は全例MCSで行われており、PS法のMCSが短かった。26vs22分。PS法HAR13,LAR44例ではLAR(20分)がHAR(18分)と処理時間は変わらなかった。PS法ではMCS 25, ベッセルシーラー24,ダブルバイポーラー法8例であったが、処理時間は21.9, 16.8 23.7分でありベッセルシーラーが有意に短かった。BMI<24 18分、BMI≧2422.7分と肥満症例で長かった(p-0.03)。また、プロクター取得前MCS10例と取得後15例では取得後の方が短かった。(25vs18分)p-0.046
(結語)ポート配置を変換することで再現性の高いロボット大腸手術が可能となり、安全性、根治性、機能性を向上する手術が期待される。