講演情報
[O10-4]右側結腸癌手術に対するロボット支援下手術、VFAを用いた周術期因子の検討
石井 正嗣, 新田 敏勝, 佐田 昭匡, 久保 隆太郎, 小宮 敦宏, 石橋 孝嗣 (春秋会城山病院消化器センター・外科)
【緒言】大腸癌手術に対する肥満の影響を検討した報告では、一般的にBMIが指標として用いられるが,手術操作の難易度に影響を及ぼすのは内臓脂肪面積 Visceral Fat Area(VFA)であるとの報告がある。肥満症例は鏡視下手術の難易度を高め,周術期の治療成績に影響を及ぼすとされ、ロボット手術に対するVFAを用いた検討は少ない。
【目的】今回右側結腸癌に対するロボット支援化手術において、VFAを用いた肥満の影響を検討し、手術操作に影響を及ぼすかについて検討を行った。
【対象と方法】2023年1月から2025年12月まで、当科で右側結腸癌に対し、ロボット支援化根治術を行った53例を対象とした。術前腹部CTにて臍レベル(L3)の内臓脂肪面積Visceral Fat Area(VFA)を測定し、それぞれの指標からみた肥満の有無(cut-off 100㎠以上を肥満群、日本肥満学会より)と手術時間、出血量および術後合併症について検討した。
【結果】VFA-肥満群は27例(VFA平均値134.3±38.2cm2),VFA-非肥満群は27例(VFA平均値43±28.1cm2)であった。VFA-肥満群と非肥満群の比較検討では、VFA-非肥満群にて郭清個数の増加を認めた(20:29, P=0.005)、出血量や手術時間、術後合併症に有意差は認めなかった。
【考察】ロボット支援化右側結腸癌手術において、合併症発生に肥満の影響は認めなかったが、VFA肥満群においては、VFA非肥満群と比較して郭清個数が少なく、郭清操作はより慎重に行う必要があると考えられた。
【結語】VFA肥満症例に対するロボット支援化右側結腸癌手術は、合併症発生リスクを上昇させず安全に施行可能であることが示唆された。
【目的】今回右側結腸癌に対するロボット支援化手術において、VFAを用いた肥満の影響を検討し、手術操作に影響を及ぼすかについて検討を行った。
【対象と方法】2023年1月から2025年12月まで、当科で右側結腸癌に対し、ロボット支援化根治術を行った53例を対象とした。術前腹部CTにて臍レベル(L3)の内臓脂肪面積Visceral Fat Area(VFA)を測定し、それぞれの指標からみた肥満の有無(cut-off 100㎠以上を肥満群、日本肥満学会より)と手術時間、出血量および術後合併症について検討した。
【結果】VFA-肥満群は27例(VFA平均値134.3±38.2cm2),VFA-非肥満群は27例(VFA平均値43±28.1cm2)であった。VFA-肥満群と非肥満群の比較検討では、VFA-非肥満群にて郭清個数の増加を認めた(20:29, P=0.005)、出血量や手術時間、術後合併症に有意差は認めなかった。
【考察】ロボット支援化右側結腸癌手術において、合併症発生に肥満の影響は認めなかったが、VFA肥満群においては、VFA非肥満群と比較して郭清個数が少なく、郭清操作はより慎重に行う必要があると考えられた。
【結語】VFA肥満症例に対するロボット支援化右側結腸癌手術は、合併症発生リスクを上昇させず安全に施行可能であることが示唆された。