講演情報
[O11-3]Nivolumab治療中の多発転移を有する悪性黒色腫に対し、治療抵抗病変である小腸転移の切除によって無増悪生存が得られた1例
邉見 和就, 玉井 皓己, 鄭 充善, 戎居 洸樹, 石丸 昂樹, 南浦 翔子, 辻村 直人, 森 総一郎, 西田 謙太郎, 吉川 幸宏, 大原 信福, 瀧内 大輔, 浜川 卓也, 辻江 正徳, 赤丸 祐介 (大阪ろうさい病院外科・消化器外科)
【症例】症例は78歳男性、2021年に右足底の悪性黒色腫を切除後、Nivolumab投与となっていた。2022年5月に左鼠径部転移、2023年3月に左上腕筋内転移に対して、それぞれ切除術を施行された。その他にも全身転移を認めていたが、増大なく治療継続となっていた。2023年6月のPET-CT検査で小腸にFDG集積を認めた。ダブルバルーン内視鏡で2/3周性の2型病変を認め、生検で悪性黒色腫の診断となった。また主病変の他にも黒色の箇所を散見したが、病理診断上は悪性所見を認めなかった。治療剤をDTICに変更後は腫瘍増大や新規病変は認めなかったため、SDと判断して主病変のみ切除の方針とした。2024年1月に単孔式腹腔鏡下部分切除を施行した。術中所見では、主病変に加えて約20㎝口側に黒色結節を確認したため、腫瘍から同結節を含むよう腸管切除した。病理所見では主病変に加えて、黒色結節も悪性黒色腫の小腸転移の診断となった。そのため、内視鏡で散見された黒色部は転移であり、残存している可能性が示唆された。術後経過は良好であり、術後11日目に退院となった。術後はDTICを再開したが、新規の転移や既知の転移の増大を認めず、術後5ヶ月で投与を終了した。現在、無増悪生存中である。
【まとめ】Nivolumab治療中の多発転移を有する悪性黒色腫に対し、治療抵抗病変である小腸転移の切除によって無増悪生存が得られた1例を経験した。
【まとめ】Nivolumab治療中の多発転移を有する悪性黒色腫に対し、治療抵抗病変である小腸転移の切除によって無増悪生存が得られた1例を経験した。