講演情報
[O12-3]当院におけるTNT治療成績と放射線増感剤を用いたNOMの効果
濱元 宏喜, 島 卓史, 庫本 達, 有馬 純, 朝隈 光弘, 李 相雄 (大阪医科薬科大学一般・消化器外科)
【背景】局所進行直腸癌に対して、Total Neoadjuvant Therapy(TNT)の有用性が欧米を中心に報告されている。
【当院の治療方針】AV5cm以下の症例と高リスク因子を有する症例でTNTを施行し、CRT(50.4Gy+カペシタビン)と地固め化学療法(CAPOX 4C)を標準治療としている。また、肛門温存を強く希望される場合、放射線増感剤(KORTUC)を用いて、cCR率の向上を目指している。TNT終了後、cCRであればNon-Operative Management(NOM)を行う。
【目的】当院における放射線増感剤であるKORTUCを用いたTNTの有効性と治療成績を明らかにする。また、KORTUC併用療法の安全性と局所制御に与える影響について検討した。
【方法】2023年7月から2024年5月までに当院でTNTを施行した進行直腸癌17例のうち、治療終了した13例を対象とし、TNT終了時点での治療効果をMSKCC criteriaに従い、効果判定した。KORTUC症例は、CRT開始後、RT20Gy経過後より週1回、大腸内視鏡下に12mlを腫瘍内に局注した。
【結果】TNT終了時点でのcCRは13例中7例(54%)であり、7例全例でNOMとした。7例中2例でlocal regrowthを認めた(治療後3か月および6か月時点)が、2例ともR0切除が可能であった。Incomplete responseであった6例は全例、ロボット支援下手術を施行し(LAR: 3例、ISR: 2例、APR: 1例)、全例CRM陰性であった。KORTUC併用療法は6例に施行し、4例(67%)が治療終了後cCRであった。6例全例で重篤な有害事象は認めなかった。
【考察】TNTはハイリスク症例であっても、CRM陰性を達成することができ、局所制御に有望な治療選択肢である可能性がある。
【結語】進行直腸癌に対するTNTは、有効性と安全性の両面で一定の効果を確認できた。今後は症例の蓄積、長期成績の評価が必要である。
【当院の治療方針】AV5cm以下の症例と高リスク因子を有する症例でTNTを施行し、CRT(50.4Gy+カペシタビン)と地固め化学療法(CAPOX 4C)を標準治療としている。また、肛門温存を強く希望される場合、放射線増感剤(KORTUC)を用いて、cCR率の向上を目指している。TNT終了後、cCRであればNon-Operative Management(NOM)を行う。
【目的】当院における放射線増感剤であるKORTUCを用いたTNTの有効性と治療成績を明らかにする。また、KORTUC併用療法の安全性と局所制御に与える影響について検討した。
【方法】2023年7月から2024年5月までに当院でTNTを施行した進行直腸癌17例のうち、治療終了した13例を対象とし、TNT終了時点での治療効果をMSKCC criteriaに従い、効果判定した。KORTUC症例は、CRT開始後、RT20Gy経過後より週1回、大腸内視鏡下に12mlを腫瘍内に局注した。
【結果】TNT終了時点でのcCRは13例中7例(54%)であり、7例全例でNOMとした。7例中2例でlocal regrowthを認めた(治療後3か月および6か月時点)が、2例ともR0切除が可能であった。Incomplete responseであった6例は全例、ロボット支援下手術を施行し(LAR: 3例、ISR: 2例、APR: 1例)、全例CRM陰性であった。KORTUC併用療法は6例に施行し、4例(67%)が治療終了後cCRであった。6例全例で重篤な有害事象は認めなかった。
【考察】TNTはハイリスク症例であっても、CRM陰性を達成することができ、局所制御に有望な治療選択肢である可能性がある。
【結語】進行直腸癌に対するTNTは、有効性と安全性の両面で一定の効果を確認できた。今後は症例の蓄積、長期成績の評価が必要である。