講演情報
[O12-4]当院における局所進行直腸癌に対する術前化学療法の治療成績
深瀬 正彦, 須藤 剛, 望月 秀太郎, 佐藤 圭佑, 飯澤 肇 (山形県立中央病院外科)
【背景】直腸癌の治療成績向上のため術前CRTやTNTが行われつつあるが、放射線治療による合併症や肛門機能低下も懸念されている. 当院では放射線治療を併用しない術前化学療法(NAC)を行っており、その有効性と安全性を検討した
【対象】2012年から2023年にかけて当院でNAC後に根治切除を行ったstageII, IIIの直腸癌20症例を対象とし後方視的に検討した.
【結果】年齢中央値は初回手術時68歳, 男性16例, 女4例で腫瘍の占拠部位はRs/Ra/Rb/P:2/5/8/5で、術前診断はT2/3/4:1/4/15、N0/1/2/3:1/7/5/7であった。術前治療としてFOLFOX/CapeOX/SOXが16例、FOLFOXorCapeOX+Cmabが3例、FOLFIRIが1例に行われ、術前画像評価ではPR13例、SD5例であったが、PDも2症例認めた。術式は全例開腹で行われ、HAR/LAR/ISR/APR/TPE:1/7/5/5/2であった。7例に他臓器合併切除を要し、側方郭清は13例(65%)に行われ、手術時間は299分、出血量は36.5mlであった。術後合併症(≧IIIa)は3例(縫合不全、小腸穿孔、尿路感染)、術後在院日数は15日であった。病理学的にはypT0/1/2/3/4:1/1/2/10/11、ypN0/1/2/3:10/4/4/2であり、T因子,N因子とも13例(65%)にdownstageが得られていた。治療効果判定はGrade0/1a/1b/2/3:1/12/2/1で全例が剥離面陰性、進行度はstage 0/I/II/III/I:1/1/8/10であった. 補助化学療法は14例(70%)に行われていた。長期成績として5年無再発生存率は52.6%であり、再発部位は局所5例、肝1例、肺1例、腹膜1例、骨1例で、5年生存率は94.4%であった
【考察】NACによりダウンステージが得られた症例が多く、短期成績は良好であった。一方で局所再発を認めた症例もあり、より強力な局所コントロールとしての集学的治療が求められる.
【対象】2012年から2023年にかけて当院でNAC後に根治切除を行ったstageII, IIIの直腸癌20症例を対象とし後方視的に検討した.
【結果】年齢中央値は初回手術時68歳, 男性16例, 女4例で腫瘍の占拠部位はRs/Ra/Rb/P:2/5/8/5で、術前診断はT2/3/4:1/4/15、N0/1/2/3:1/7/5/7であった。術前治療としてFOLFOX/CapeOX/SOXが16例、FOLFOXorCapeOX+Cmabが3例、FOLFIRIが1例に行われ、術前画像評価ではPR13例、SD5例であったが、PDも2症例認めた。術式は全例開腹で行われ、HAR/LAR/ISR/APR/TPE:1/7/5/5/2であった。7例に他臓器合併切除を要し、側方郭清は13例(65%)に行われ、手術時間は299分、出血量は36.5mlであった。術後合併症(≧IIIa)は3例(縫合不全、小腸穿孔、尿路感染)、術後在院日数は15日であった。病理学的にはypT0/1/2/3/4:1/1/2/10/11、ypN0/1/2/3:10/4/4/2であり、T因子,N因子とも13例(65%)にdownstageが得られていた。治療効果判定はGrade0/1a/1b/2/3:1/12/2/1で全例が剥離面陰性、進行度はstage 0/I/II/III/I:1/1/8/10であった. 補助化学療法は14例(70%)に行われていた。長期成績として5年無再発生存率は52.6%であり、再発部位は局所5例、肝1例、肺1例、腹膜1例、骨1例で、5年生存率は94.4%であった
【考察】NACによりダウンステージが得られた症例が多く、短期成績は良好であった。一方で局所再発を認めた症例もあり、より強力な局所コントロールとしての集学的治療が求められる.