講演情報
[O15-3]大腸癌肝転移切除後の肝外転移再発リスク因子の検討
野村 雅俊1, 鄭 充善2, 東口 公哉1, 浦川 真哉1, 深田 唯史1, 野口 幸藏1, 團野 克樹1, 平尾 隆文1, 関本 貢嗣1, 岡 義雄1 (1.箕面市立病院, 2.大阪ろうさい病院)
【緒言】
大腸癌肝転移切除後の再発率は高く, その中でも外科的切除が困難である肝外転移を来たすと予後不良であることが知られている。
【目的】
大腸癌肝転移初回切除症例において肝外再発を来たすリスク因子を検討する。
【対象・方法】
2014年1月~2023年12月の間に原発巣切除を行った大腸癌症例の中で切除に至った肝転移症例146例のうち, 術前治療を行わなかった107例を対象とした。肝外転移無再発生存期間(EHRFS)に関連する因子につき検討を行った。
【結果】
年齢 69.5歳(30-89), 男/女 69/38, 原発巣については組織型 tub1/tub2/others 36/66/5例, 局在 right/left 32/75例, T1/2/3/4 3/6/61/37例, リンパ節転移 -/+ 41/66例, ly 0/1/2/3 4/62/40/1例, v 0/1/2 10/81/16例, 肝転移巣については肝転移個数 1/2/3/4/5/6-9個 68/16/14/4/2/3例, 最大径中央値 23 (10-93)mm, 同時性/異時性転移 40/67例, RM0/RM1 86/21例, 後治療 あり/なし 20/87例.
再発は61例(57%)に認め, 25例(41%)に手術を行った. 残肝再発のみに対しては8/11例(73%), 肝外再発のみに対しては5/14例(36%), 残肝・肝外両方の再発に対しては12/36例(33%)に手術を行った. なお臓器別だと肝に対して20例, 肺に対して8例, リンパ節に対して1例手術を行っていた.
肝外転移再発におけるリスク因子につき検討を行った. EHRFSに対する単変量解析を行ったところ, 局在(p=0.046), リンパ管侵襲(p=0.002), リンパ節転移の有無(p=0.03), 転移時期(p=0.006), 転移個数(p=0.0004), 最大径(p=0.003)で有意差を認めた. 多変量解析ではリンパ管侵襲, 転移個数で関連を認めた.
【まとめ】
大腸癌肝転移切除後の肝外転移リスク因子について検討を行った. このような因子を認めない症例についてはupfront surgeryを選択して良いかもしれない.
大腸癌肝転移切除後の再発率は高く, その中でも外科的切除が困難である肝外転移を来たすと予後不良であることが知られている。
【目的】
大腸癌肝転移初回切除症例において肝外再発を来たすリスク因子を検討する。
【対象・方法】
2014年1月~2023年12月の間に原発巣切除を行った大腸癌症例の中で切除に至った肝転移症例146例のうち, 術前治療を行わなかった107例を対象とした。肝外転移無再発生存期間(EHRFS)に関連する因子につき検討を行った。
【結果】
年齢 69.5歳(30-89), 男/女 69/38, 原発巣については組織型 tub1/tub2/others 36/66/5例, 局在 right/left 32/75例, T1/2/3/4 3/6/61/37例, リンパ節転移 -/+ 41/66例, ly 0/1/2/3 4/62/40/1例, v 0/1/2 10/81/16例, 肝転移巣については肝転移個数 1/2/3/4/5/6-9個 68/16/14/4/2/3例, 最大径中央値 23 (10-93)mm, 同時性/異時性転移 40/67例, RM0/RM1 86/21例, 後治療 あり/なし 20/87例.
再発は61例(57%)に認め, 25例(41%)に手術を行った. 残肝再発のみに対しては8/11例(73%), 肝外再発のみに対しては5/14例(36%), 残肝・肝外両方の再発に対しては12/36例(33%)に手術を行った. なお臓器別だと肝に対して20例, 肺に対して8例, リンパ節に対して1例手術を行っていた.
肝外転移再発におけるリスク因子につき検討を行った. EHRFSに対する単変量解析を行ったところ, 局在(p=0.046), リンパ管侵襲(p=0.002), リンパ節転移の有無(p=0.03), 転移時期(p=0.006), 転移個数(p=0.0004), 最大径(p=0.003)で有意差を認めた. 多変量解析ではリンパ管侵襲, 転移個数で関連を認めた.
【まとめ】
大腸癌肝転移切除後の肝外転移リスク因子について検討を行った. このような因子を認めない症例についてはupfront surgeryを選択して良いかもしれない.