講演情報

[O21-2]80歳以上の高齢者における痔核結紮切除術の成績

武田 崇志, 田中 良明, 寺田 俊明, 神山 剛一, 吉岡 将史, 増田 有香, 前田 文, 山田 麻子, 佐藤 兼敏, 下里 あゆ子, 原 聖佳 (寺田病院大腸肛門病センター)
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【目的】当院で結紮切除術(LE)を施行した80歳以上の痔核患者における背景および手術成績と安全性を検討し、高齢者の痔核手術の意義を明らかにする。
【方法】2013年から2021年に当院で痔核に対してLEを施行した80歳以上の高齢者110例を対象とし、患者背景や手術成績について後方視的検討を行った。緊急手術症例、痔瘻合併症例、硬化療法単独症例、procedure for prolapse and hemorrhoids (PPH)手術症例は除外した。
【結果】平均年齢82.9歳(80-93)、男性33例(30%)。抗血栓薬使用患者は19例(17.3%)であり全例術前に休薬されていた。認知症患者は3例(2.7%)だった。術式はLE単独19例(17.3%)、3か所以上のLEを施行した症例は41例(37.3%)だった。術後在院日数中央値は6日(1-45)。再手術を要した後出血は3例(2.7%)であり、薬物療法を要した術後せん妄は3例(2.7%)であった。術後排尿障害による療養施設への退院を1例認めたが、その他は自宅退院であった。
【結語】80歳以上の高齢者における痔核結紮切除術は慎重に術式選択を行えば比較的安全に施行できると考えられた。