講演情報
[O26-6]直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術(D’Hoore法)の成績
谷田 孝, 金平 永二, 尾花 優一, 金平 文 (メディカルトピア草加病院)
背景:直腸脱は高齢の女性に多く発症し,肛門痛や肛門出血,便失禁等の症状を伴い,QOLを著しく低下させる.高齢女性のため,羞恥心によって申告が遅れ,長期間にわたり症状が見逃されることがあり,また,入所施設からの報告により初めて認知される症例が存在する.当院では,直腸脱に対する低侵襲治療である腹腔鏡下手術の必要性を考慮し,2022年2月より直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術(D’Hoore法)を導入し,積極的に施行してきたので,その成績を報告する.
手術手技:当院での腹腔鏡下直腸癌手術に準じた5ポートにて手術を開始する.最初に仙骨にタッカーによるメッシュ固定部を確保する.同部位から骨盤内までの直腸を右側より剥離授動する,特に膣後壁と直腸前壁の剥離は十分に行い,直腸前壁にメッシュを縫合固定する.メッシュの反対側は仙骨にタッカーにて固定する.最後にメッシュを覆うように腹膜を連続縫合閉鎖し,手術を終了する.
結果:2022年2月より直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術を導入し,2025年4月までに20例に施行した.年齢の平均値は81歳,女性18例,男性2例であった.平均手術時間は155分(104-212分),出血量は2.7ml,術中術後に合併症を認めず,術後平均在院日数は6.4日,術後に再発を1例に認めた.2025年1月からはクリニカルパスを導入することができ,パス通りに経過している.
結語:直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術(D’Hoore法)は安全に施行可能であった.高齢患者が多く,ほぼ全症例において基礎疾患を合併しているが,全身麻酔が可能であれば,腹腔鏡下直腸固定は術後の合併症を減少させ,QOLの改善に寄与すると考える.今後も積極的に症例を重ね,中長期成績を検討したい.
手術手技:当院での腹腔鏡下直腸癌手術に準じた5ポートにて手術を開始する.最初に仙骨にタッカーによるメッシュ固定部を確保する.同部位から骨盤内までの直腸を右側より剥離授動する,特に膣後壁と直腸前壁の剥離は十分に行い,直腸前壁にメッシュを縫合固定する.メッシュの反対側は仙骨にタッカーにて固定する.最後にメッシュを覆うように腹膜を連続縫合閉鎖し,手術を終了する.
結果:2022年2月より直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術を導入し,2025年4月までに20例に施行した.年齢の平均値は81歳,女性18例,男性2例であった.平均手術時間は155分(104-212分),出血量は2.7ml,術中術後に合併症を認めず,術後平均在院日数は6.4日,術後に再発を1例に認めた.2025年1月からはクリニカルパスを導入することができ,パス通りに経過している.
結語:直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術(D’Hoore法)は安全に施行可能であった.高齢患者が多く,ほぼ全症例において基礎疾患を合併しているが,全身麻酔が可能であれば,腹腔鏡下直腸固定は術後の合併症を減少させ,QOLの改善に寄与すると考える.今後も積極的に症例を重ね,中長期成績を検討したい.