講演情報
[O27-3]ロボット支援大腸切除術の現状 〜コストに配慮した手技の標準化〜
近藤 彰宏, 馮 東萍, 竹谷 洋, 松川 浩之, 西浦 文平, 安藤 恭久, 須藤 広誠, 岸野 貴賢, 大島 稔, 岡野 圭一 (香川大学医学部消化器外科)
【背景】保険適応以後、大腸癌に対するロボット支援手術(RALS)は急速に普及している。当院では2021年11月から直腸癌に、2022年6月から結腸癌に対するda Vinciを用いたRALSを導入した。一方でRALSのコスト面は大きな課題であり、安全性を担保した上でのコスト対策は重要である。当院でのコストに配慮したロボット支援大腸切除術の手技の取り組みをこれまでの治療成績とともに提示する。
【手術手技】直腸癌手術において、側方郭清含む高難度手術以外はda Vinciベッセルシーラーを使用せず手術を行う。結腸癌においても内臓脂肪の少ない症例ではベッセルシーラーを使用せず手術を行う。結腸癌、直腸癌ともに腹腔側からの腸管切離の際はda Vinci Sure Formを使用せず全例で腹腔鏡用自動縫合器を使用している。
【対象】2021年11月から2025年3月までに大腸癌に対しRALSを施行した146例を対象に、直腸癌(R群)と結腸癌(C群)に分けて短期治療成績について検討した。またコストに配慮した手技の選択が当院での材料費に与える影響を調査した。
【結果】R群/C群=108/38例。年齢(Y、中央値)はR群/C群=67/76、性別(男)はR群/C群=73(68%)/19(50%)、BMI(中央値)はR群/C群=22.2/23.3。手術時間(min, 中央値)はR群/C群=383/333、出血量(mL, 中央値)はR群/C群=5/0、開腹移行はR群/C群=1(0.9%)/1(2.6%)。Clavien-Dindo gradeIII以上の術後合併症はR群/C群=8(7.4%)/0、術後在院日数(日, 中央値)はR群/C群=12/10、術後在院死亡は認めていない。病理学的進行度(pStage0/I/II/III/IV)はR群=3(3%)/48(44%)/26(24%)/21(19%)/10(9%)、C群=1(3%)/13(34%)/11(29%)/11(29%)/2(5%)。da Vinci Sure Formに代わり腹腔鏡用自動縫合器を使用した場合はR群:24,256円/例、C群:27,060円/例、R群においてベッセルシーラー不使用であればさらに83,895円/例の材料費削減が可能であった。
【結語】当院におけるRALSの取り組みは安全性を担保しつつコスト削減に寄与し病院経営の観点からもメリットがあるとともに、今後の症例数増加に伴う新規ロボットの導入観点からも効果的であると考えられた。
【手術手技】直腸癌手術において、側方郭清含む高難度手術以外はda Vinciベッセルシーラーを使用せず手術を行う。結腸癌においても内臓脂肪の少ない症例ではベッセルシーラーを使用せず手術を行う。結腸癌、直腸癌ともに腹腔側からの腸管切離の際はda Vinci Sure Formを使用せず全例で腹腔鏡用自動縫合器を使用している。
【対象】2021年11月から2025年3月までに大腸癌に対しRALSを施行した146例を対象に、直腸癌(R群)と結腸癌(C群)に分けて短期治療成績について検討した。またコストに配慮した手技の選択が当院での材料費に与える影響を調査した。
【結果】R群/C群=108/38例。年齢(Y、中央値)はR群/C群=67/76、性別(男)はR群/C群=73(68%)/19(50%)、BMI(中央値)はR群/C群=22.2/23.3。手術時間(min, 中央値)はR群/C群=383/333、出血量(mL, 中央値)はR群/C群=5/0、開腹移行はR群/C群=1(0.9%)/1(2.6%)。Clavien-Dindo gradeIII以上の術後合併症はR群/C群=8(7.4%)/0、術後在院日数(日, 中央値)はR群/C群=12/10、術後在院死亡は認めていない。病理学的進行度(pStage0/I/II/III/IV)はR群=3(3%)/48(44%)/26(24%)/21(19%)/10(9%)、C群=1(3%)/13(34%)/11(29%)/11(29%)/2(5%)。da Vinci Sure Formに代わり腹腔鏡用自動縫合器を使用した場合はR群:24,256円/例、C群:27,060円/例、R群においてベッセルシーラー不使用であればさらに83,895円/例の材料費削減が可能であった。
【結語】当院におけるRALSの取り組みは安全性を担保しつつコスト削減に寄与し病院経営の観点からもメリットがあるとともに、今後の症例数増加に伴う新規ロボットの導入観点からも効果的であると考えられた。