講演情報
[O27-4]市中病院におけるロボット支援下右側結腸切除術の体腔内吻合の導入と検討
魚住 のぞみ1, 片岡 直己2, 徳原 克治2, 内間 恭武3 (1.ベルランド総合病院外科, 2.岸和田徳洲会病院, 3.中部徳洲会)
【はじめに】2022年よりロボット支援下結腸手術が保険適応となり、当院でも導入している。右側結腸手術において腹腔鏡では基本体腔外でFEEAを行ってきたが、ロボット手術導入後は授動範囲の縮小や早期腸管機能回復、副損傷の軽減などのメリットを考慮し体腔内吻合を導入し始めた。【方法】前処置は機械的および化学的前処置を併用している。吻合はoverlap吻合とデルタ吻合を症例に合わせて検討している。吻合予定部にガーゼを敷き、便の漏れによる汚染を防いでいる。主な当院での方法としては、Overlap吻合・デルタ吻合双方で助手と強調しながら補強材付きの自動吻合器で吻合し、挿入孔閉鎖時は補強材の両端を持ち、間を仮閉鎖、その後自動縫合器で縫合閉鎖している。助手が自動吻合器を使用することで、場の展開を3本のロボットアームで施行でき、よりスムーズな体腔内吻合ができると考えている。【対象】2022年4月~2025年1月までの右側結腸切除術26例のうち、体腔内吻合を行った症例15例を対象として検討する(開腹移行例や2病変症例は除外している)。【結果】年齢中央値76歳(54-87歳)、男女比6:9、腫瘍占拠部位は盲腸が3例、上行結腸が6例、横行結腸癌6例で、cStageⅠ/Ⅱa/Ⅱb/Ⅲa/Ⅲb/Ⅲcが4/2/0/2/7/0であった。手術時間326分(193-409分)、コンソール時間249分(128-322)出血量15ml(3-153ml)、Overlap吻合10例、デルタ吻合を5例で施行した。食事開始時期3日目(3-7日目)初回排便4日目(3-8日目)、術後在院日数9日(7-28日)であった。腫瘍学的には全症例でD3郭清、R0手術ができており、リンパ節郭清個数21個(7-39個)、pStageⅠ/Ⅱa/Ⅱb/Ⅲa/Ⅲb/Ⅲcが5/4/1/0/4/1で、組織型tub1/tub2/porが9/4/1であった。術後合併症は、微小穿孔、脳梗塞が各々1例(Clavien Dindo(CD) GradeⅡ)であった。【結論】まだ症例も少ないが、今回の検討でCD GradeⅢ以上の重症合併症は認めておらず、比較的安全に導入できたと考える。今後定型化を目指し、症例も集積・検討する予定である。