講演情報
[O29-7]SureForm™ Staplerのログデータから解析した縫合機器使用に関する検討
番場 嘉子, 小川 真平, 二木 了, 金子 由香, 近藤 侑鈴, 腰野 蔵人, 谷 公孝, 前田 文, 前田 新介, 伊藤 俊一, 山口 茂樹 (東京女子医科大学消化器・一般外科)
目的:ロボット支援下手術による恩恵はカメラや機器の安定性、微細な手術操作ばかりでなく、ロボットプラットフォームからの情報を解析することで、最適で安全な手技の確立に寄与するという点で重要である。今回、SureformTMStaplerのログデータを解析し、直腸癌において直腸を切離する際の、縫合機器の使用方法に関する検討を行った。
方法:2022年から2024年までに当院で直腸癌の診断で前方切除(超低位を含む)においてda Vinci SureformTMStaplerを使用した32例を対象とした。14例に人工肛門造設を行った。術後合併症においてはC/D分類Grade IIIaのイレウス2例であった。Firingは計56回行われた。Firing時間、Stapler角度情報(PitchとYaw)、実際の手術動画とともに検討を行った。
結果:StaplerのPitchであるハサミを手前に向けるか奥に向けるかの角度は、中央値46.4度(1.2-59.9)で、全体として40-55度の範囲であった。患者の左側がアクティブジョーである縫合は、32回(57%)であった。Stapler のYawであるハサミをこちらに向けて左右に向ける角度は、中央値15.8度(0-59.9)で、全体として0-20度の範囲であった。Yaw が40度以上は4回(4例)であったが、PitchやBMI、Firing時間との関連は無かった。Firing時間は中央値9.45秒(7.37-48.6)であった。25秒以上であったFiringは2回あり、切離2回目以降の複数回切離の症例であった。
結語:直腸切離の際は、Staplerは40-55度手前に倒し、左右は0-20度の範囲であった。今までの腹腔鏡手術では得られなかった、ロボット支援下手術から得られる情報を活用することで、腹腔鏡手術にも活用できる安全かつ最適な手術手技の確立に貢献し得る可能性が示された。
方法:2022年から2024年までに当院で直腸癌の診断で前方切除(超低位を含む)においてda Vinci SureformTMStaplerを使用した32例を対象とした。14例に人工肛門造設を行った。術後合併症においてはC/D分類Grade IIIaのイレウス2例であった。Firingは計56回行われた。Firing時間、Stapler角度情報(PitchとYaw)、実際の手術動画とともに検討を行った。
結果:StaplerのPitchであるハサミを手前に向けるか奥に向けるかの角度は、中央値46.4度(1.2-59.9)で、全体として40-55度の範囲であった。患者の左側がアクティブジョーである縫合は、32回(57%)であった。Stapler のYawであるハサミをこちらに向けて左右に向ける角度は、中央値15.8度(0-59.9)で、全体として0-20度の範囲であった。Yaw が40度以上は4回(4例)であったが、PitchやBMI、Firing時間との関連は無かった。Firing時間は中央値9.45秒(7.37-48.6)であった。25秒以上であったFiringは2回あり、切離2回目以降の複数回切離の症例であった。
結語:直腸切離の際は、Staplerは40-55度手前に倒し、左右は0-20度の範囲であった。今までの腹腔鏡手術では得られなかった、ロボット支援下手術から得られる情報を活用することで、腹腔鏡手術にも活用できる安全かつ最適な手術手技の確立に貢献し得る可能性が示された。