講演情報
[O3-1]右側結腸癌に対するロボット支援下手術の定型化と成績
木下 敬史, 小森 康司, 佐藤 雄介, 大内 晶, 安岡 宏展, 北原 拓哉, 安部 哲也 (愛知県がんセンター消化器外科)
【はじめに】右側結腸癌に対する低侵襲手術によるD3郭清は難易度も高く,各施設間でその手技・適応は異なり,定型化が遅れている.これまで開腹手術・腹腔鏡手術による右側結腸癌に対するD3郭清の方法を報告してきた.2023年4月よりロボット手術を開始し,これまでのアプローチと郭清範囲・精度がかわることのないよう留意した.
【手術手技】ポート配置はいわゆる逆L字配置で,左側3番と4番の間に5mmの助手用ポートを挿入している.頭低位左下の体位で,後腹膜アプローチを行う.小腸間膜を十二指腸,膵臓から剥離する.さらに外側授動も行いこの時点でほぼ肝曲の授動まで行える.次に内側アプローチでリンパ節郭清を行う.左側はSMAの左縁,神経叢前面を露出し膵下縁まで行う.ICA,RCAを処理し,MCA根部まで行う.その左側へ横行結腸間膜を十分に切開する.SMA神経叢前面は剥離が容易で、安全に郭清できる.またSMA本幹を露出することで分岐する動脈の起始部が容易に同定できる.SMV前面はGCtrunkを確認し,MCV,ARCVを同定したらこの段階で切離しておく.次に頭側から大網を切開し網嚢を開放すし,十二指腸前面で尾側からの剥離層と連続させる.頭側からGCtrunkを確認した後,膵下縁に沿って横行結腸間膜を切離しSMV前面を露出し,ここに流入する静脈がさらにあればこれを切離し,SMA・SMV前面,膵下縁までの脂肪織を切離することでD3郭清としている.
【成績】2023年~2024年4月に右側結腸癌33例にロボット手術D3郭清を施行した.男性9例・女性24例,年齢は71歳(46-86歳).手術時間は194 分(114-281分),出血は少量(少量-150 ml),CD GradeII以上の合併症は3例(20%),GradeIII 以上の合併症はイレウスの1例(6.7%)のみで,縫合不全・膵液漏はいずれも認めなかった. 郭清リンパ節総数は38個(16-66個)であった.
【まとめ】
右側結腸癌に対するロボット支援下D3郭清の手術手技を供覧し,その成績を報告した.ロボット手術においても安全で確実なD3が可能であると考える.
【手術手技】ポート配置はいわゆる逆L字配置で,左側3番と4番の間に5mmの助手用ポートを挿入している.頭低位左下の体位で,後腹膜アプローチを行う.小腸間膜を十二指腸,膵臓から剥離する.さらに外側授動も行いこの時点でほぼ肝曲の授動まで行える.次に内側アプローチでリンパ節郭清を行う.左側はSMAの左縁,神経叢前面を露出し膵下縁まで行う.ICA,RCAを処理し,MCA根部まで行う.その左側へ横行結腸間膜を十分に切開する.SMA神経叢前面は剥離が容易で、安全に郭清できる.またSMA本幹を露出することで分岐する動脈の起始部が容易に同定できる.SMV前面はGCtrunkを確認し,MCV,ARCVを同定したらこの段階で切離しておく.次に頭側から大網を切開し網嚢を開放すし,十二指腸前面で尾側からの剥離層と連続させる.頭側からGCtrunkを確認した後,膵下縁に沿って横行結腸間膜を切離しSMV前面を露出し,ここに流入する静脈がさらにあればこれを切離し,SMA・SMV前面,膵下縁までの脂肪織を切離することでD3郭清としている.
【成績】2023年~2024年4月に右側結腸癌33例にロボット手術D3郭清を施行した.男性9例・女性24例,年齢は71歳(46-86歳).手術時間は194 分(114-281分),出血は少量(少量-150 ml),CD GradeII以上の合併症は3例(20%),GradeIII 以上の合併症はイレウスの1例(6.7%)のみで,縫合不全・膵液漏はいずれも認めなかった. 郭清リンパ節総数は38個(16-66個)であった.
【まとめ】
右側結腸癌に対するロボット支援下D3郭清の手術手技を供覧し,その成績を報告した.ロボット手術においても安全で確実なD3が可能であると考える.