講演情報
[O3-3]右側結腸癌に対する腹腔鏡下手術とロボット支援手術の短期成績の検討-傾向スコア解析-
水谷 久紀, 真崎 純一, 筋野 博喜, 福島 元太郎, 久保山 侑, 有働 竜太朗, 田子 友哉, 笠原 健大, 永川 裕一 (東京医科大学消化器外科・小児外科)
[はじめに]2022年9月ロボット支援結腸悪性腫瘍切除術(RALS-C)を導入し、現在では9割の結腸がんに対して施行している。特に右側結腸癌に対しては、体腔内吻合等との親和性の高さからRALS-Cが有用とされる報告が散見されるが、腹腔鏡手術(LAP)と比した有用性は未だ明らかではない。右側結腸がんに対するLAP群とRALS-C群の短期成績を比較検討した。[方法]2021年2月から2024年12月までに施行した結腸癌(虫垂-横行結腸)に対するMIS施行群143例を対象として、その短期成績をLAP群(60例)とRALS-C群(81例)で後方視的に検討した。[結果]LAP群/RALS-C群において、年齢中央値=79/75才、 男:女=23:38/38:43、術式別(ICR:PCR:RHC)=32:12:16/56:15:10、出血量平均値=28g/22g、pStage(0:1:2:3:4)=2:22:22:13:7/7:27:23:18:6, PM=88/75, DM=80/71.5, 合併症率(C-D>3)=0%/1.2%で両群にて有意差を認めなかったが、吻合法(体外:体内)=80.8%:15.2%/53.1%:46.9%(p<0.001), 手術時間=208min/192min(p=0.02), 在院日数中央値=13日/10日(p<0.0007), 採取リンパ節数=17個/18個(p=0.031)で有意差を認めた。また年齢・性別・BMIを共変量とした傾向スコアマッチングでは両群で(66)例がマッチし、術後在院日数のみ有意差を認めた。(p=0.008)[結語]RALS-C群はLAP群と比較して、安全性は同等であり、許容可能であった。また在院日数が短かったことから、より術後回復が早いことが示唆された。