講演情報

[O5-3]腹腔鏡下結腸癌手術における体腔内吻合の短期・中期成績

吉田 大輔, 石松 諒, 石田 俊介, 折本 大樹, 矢田 一宏, 松本 敏文, 川中 博文 (国立病院機構別府医療センター外科)
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近年、腹腔鏡下結腸癌切除における体腔内吻合の腫瘍学的予後が散見され、普及する結腸癌に対するロボット支援手術との相性のよさも報告される。的確なCMEや切離腸管長の確保など、結腸癌の腫瘍学的予後に関連する利点が少なくないと考える。
当院における結腸癌に対する腹腔鏡下体腔内吻合の短期・中期成績について検討。2021年4月〜2024年8月に当院にて施行した腹腔鏡下結腸癌手術症例を対象とした(9月以降はロボット支援手術にて体腔内吻合を実施)。体腔内吻合(ICA)群と体腔外吻合(ECA)群の短期・中期成績について後方視的に比較検討した。
腹腔鏡下結腸癌手術を施行した67例のうち、ICA群は44症例であり、ECA群は23症例。平均年齢はICA群:77.7歳, ECA群:73.4歳、性別(男/女)はICA群:14/30人, ECA群:8/15人、平均BMIはICA群:23.1, ECA群:21.0、平均手術時間はICA群:226分, ECA群:252分、平均出血量はICA群:23.3g, ECA群:40.4g、郭清リンパ節平均個数はICA群:17.8個, ECA群:17.0個、いずれも有意差は認められなかった。術後排ガスはICA群:1.7日, ECA群:2.1日(p=0.020)、排便はICA群:2.0日, ECA群:2.8日(p=0.003)であり、ICA群で有意な腸管蠕動早期回復が認められた。2年全生存率(OS)はICA群:91.0, ECA群:82.2(p=0.429)、2年無再発生存率(RFS)はICA群:83.6%, ECA群:93.3%(p=0.353)であった。
結腸癌に対する腹腔鏡下体腔内吻合は安全に施行可能であり、中期成績においても有意な差は認められなかった。