講演情報
[O6-8]ロボット支援右側結腸癌における臍部ポートを用いた助手主導の体腔内吻合の工夫
北川 祐資1, 福長 洋介1, 三城 弥範1, 山本 匠1, 上原 広樹2, 井 翔一郎2, 山田 典和2, 五十嵐 優人2, 森 至弘2, 渡邉 純2 (1.関西医科大総合医療センター下部消化管外科, 2.関西医科大学附属病院下部消化管外科学講座)
背景: 右側結腸癌に対するロボット支援下手術における消化管再建法は施設により様々であるが,当科では臍部の助手ポートを用いた助手主導の体腔内吻合と下腹部横切開からの標本摘出を行っているので,その手技と短期成績について報告する.方法: 第一ポートは臍切開下に開腹法で12mm腹腔鏡トロッカーを挿入する.Da Vinci Xi™️ポートは左右下腹部,正中下腹部(後の検体摘出を兼ねる)と左上腹部に8mmを留置し,助手用5mmポートを左下腹部に設定する.手術は内側アプローチによるD3リンパ節郭清につづき,肝弯曲部のテイクダウンから,外側,回盲部の順に体位変換なしで授動を行う.間膜処理後,ICGで血流温存を確認して臍部助手ポートからSignia™️を用いて、また助手用5mポートから腹腔鏡用鉗子を使用して体腔内吻合を助手主導で行う.吻合法は解剖学的位置関係からoverlap吻合を行う.結果: 2025年3月までに上記術式で6例のロボット支援右側結腸切除および助手主導体腔内吻合を実施した.内訳は盲腸癌4例,上行結腸癌2例であり,手術術式は回盲部切除5例,右半結腸切除1例であった.手術時間の中央値は186分,出血量の中央値は10gであった.経口摂取再開までの中央値は2.5日,入院期間の中央値は7.5日であり,1例で術後麻痺性イレウスを認めた.まとめ: 臍部に第一ポートを開腹法で挿入する方法は,定型的腹腔鏡手術手技と共通でありその後のロボットポート設定も容易である.最終的に助手主導でこれを体腔内吻合に利用することは,時間短縮と助手の手術参加への意識が高まることに繋がり,また下腹部横切開からの標本摘出を行うことで,創感染リスクや術後ヘルニアの発生を低減できると考える.