講演情報
[O8-2]進行直腸癌に対する両側側方郭清と選択的側方郭清の治療成績
諸橋 一, 三浦 卓也, 須藤 亜希子, 袴田 健一 (弘前大学医学部消化器外科)
【はじめに】
進行直腸癌に対する側方郭清の適応は腹膜飜転部以下のT3以深の症例に対してNeoadjubant chemotherapy (NAC)後に両側の側方リンパ節郭清(LLND)を行ってきた。近年、術前にChemoradiotherapy (CRT)やTotal neoadjuvant therapy (TNT)後に選択的LLNDを行い、転移が疑われない側は放射線治療後に郭清を省略する方針を導入した。術前治療後のLLNDの治療成績を検討し、選択的LLNDと予防的側方郭清の意義について検討する。
【対象と方法】
対象は2014年1月から2025年5月までにLLNDを行った127例のうち、術前治療後にLLNDを行った106例とした。放射線治療を行わずにNACのみを行った非放射線NAC群(A群)86例と放射線治療群(B群)20例(CRT12例、TNTが8例)の治療成績を後ろ向きに比較検討した。
【結果】
A/B群で年齢、性別、BMIに有意差は認められなかった。術式に有意差は認められなかったが、A群は両側、B群は片側の側方郭清が行われていた。平均手術時間は440/551分でB群が有意に長かった。平均出血量は50/50g で有意差はなかった。R0切除率は95/100%で有意差は認められなかった。全体の合併症発生率は両群に差はなかった。CD分類Grade3以上の術後合併症は8/15%でB群が有意に多かった。。3y-DFSは82/74% (p=0.509)、3y-OSは89/100% (p=0.727)であった。局所再発は13/0例でA群に局所再発が多かった。術前に側方リンパ節転移が疑われず、NAC+予防的郭清をした症例の側方リンパ節転移症例は2例(4%)であり、何も側方領域に再発した。一方、選択的側方郭清を行った症例の側方リンパ節再発は0%であった。
【結語】
放射線治療後のロボット支援下LLNDは術後合併症が多い傾向にあった。長期治療成績は良好であった。放射線治療により予防的側方郭清を省略できる可能性があると考えられた。
進行直腸癌に対する側方郭清の適応は腹膜飜転部以下のT3以深の症例に対してNeoadjubant chemotherapy (NAC)後に両側の側方リンパ節郭清(LLND)を行ってきた。近年、術前にChemoradiotherapy (CRT)やTotal neoadjuvant therapy (TNT)後に選択的LLNDを行い、転移が疑われない側は放射線治療後に郭清を省略する方針を導入した。術前治療後のLLNDの治療成績を検討し、選択的LLNDと予防的側方郭清の意義について検討する。
【対象と方法】
対象は2014年1月から2025年5月までにLLNDを行った127例のうち、術前治療後にLLNDを行った106例とした。放射線治療を行わずにNACのみを行った非放射線NAC群(A群)86例と放射線治療群(B群)20例(CRT12例、TNTが8例)の治療成績を後ろ向きに比較検討した。
【結果】
A/B群で年齢、性別、BMIに有意差は認められなかった。術式に有意差は認められなかったが、A群は両側、B群は片側の側方郭清が行われていた。平均手術時間は440/551分でB群が有意に長かった。平均出血量は50/50g で有意差はなかった。R0切除率は95/100%で有意差は認められなかった。全体の合併症発生率は両群に差はなかった。CD分類Grade3以上の術後合併症は8/15%でB群が有意に多かった。。3y-DFSは82/74% (p=0.509)、3y-OSは89/100% (p=0.727)であった。局所再発は13/0例でA群に局所再発が多かった。術前に側方リンパ節転移が疑われず、NAC+予防的郭清をした症例の側方リンパ節転移症例は2例(4%)であり、何も側方領域に再発した。一方、選択的側方郭清を行った症例の側方リンパ節再発は0%であった。
【結語】
放射線治療後のロボット支援下LLNDは術後合併症が多い傾向にあった。長期治療成績は良好であった。放射線治療により予防的側方郭清を省略できる可能性があると考えられた。