講演情報
[O9-1]一時的人工肛門造設時の合併症とその対策
碓井 彰大, 小杉 千弘, 首藤 潔彦, 森 幹人, 佐塚 哲太郎, 高柳 良介, 佐藤 駿介, 高木 大地, 清水 宏明 (帝京大学ちば総合医療センター外科)
はじめに:
下部進行直腸癌の根治術の際、Bauhin弁から30㎝口側の回腸で一時的人工肛門造設術を行っている。
目的:
一時的人工肛門造設術を行った症例におけるストーマ関連合併症を来した症例の原因と対策、工夫を検討すること。
対象:
2023年1月から2025年5月までの期間で、直腸癌または大腸癌の手術の際、Diverting stomaを行った18例。
手技:
術前に左右上下腹部にマーキングをする。皮膚切開は約3㎝で縦切開し、Skin bridge法で行っている。腹直筋の前鞘を十字に切開し、後で腸管が脱落しないようにするため、前鞘の頂点に針糸をかけておく。腹腔内に到達すると、口側腸管が尾側になるように、前鞘の針糸を腸管の側部にかけて固定する。次に口側が広くなるように7:3で腸管長軸と垂直に腸管を切開し、口側の腸管の高さが高くなるように針糸をかけ、反転固定を行う。
結果:
症例は直腸癌が16例(うち再発直腸癌が3例)、横行結腸癌、S状結腸癌(UCあり)がそれぞれ1例であった。男性9例、女性9例であった。年齢は中央値で66歳(48-86)。術式は超低位前方切除術が10例、低位前方切除術が4例、ISRが1例、大腸全摘が1例、人工肛門造設術が2例であった。4例(22.2%)に狭窄あり、1例(5.6%)に肛門側の腸管の脱落があった。狭窄症例のうち、3例は徐々に狭窄所見が増悪したため、3例のうち2例は、吻合部の縫合不全がないことを確認した後、人工肛門閉鎖術を行った。1例は原発巣の手術を行う際にストーマ閉鎖術を施行した。1例は腸管が一時的に浮腫んでいることが原因で、口側腸管にネラトンを通すことにで徐々に軽快した。人工肛門脱落した症例について、再手術でストーマの位置を移動する手術を行った。
考察:
狭窄の原因は腸管の浮腫や捻じれの可能性はあるが、単純に腹直筋の前鞘の切開の長さが不十分であることが原因と考えられる。狭窄症状の症例を経験し、指3本でブジーするようにしてから狭窄を認めていない。脱落予防として、腹直筋前鞘と固定し、肛門側の腸管の高さを出していくことが重要と考える。
結語:
一時的ストーマ造設の合併症とその対策について検討した。
下部進行直腸癌の根治術の際、Bauhin弁から30㎝口側の回腸で一時的人工肛門造設術を行っている。
目的:
一時的人工肛門造設術を行った症例におけるストーマ関連合併症を来した症例の原因と対策、工夫を検討すること。
対象:
2023年1月から2025年5月までの期間で、直腸癌または大腸癌の手術の際、Diverting stomaを行った18例。
手技:
術前に左右上下腹部にマーキングをする。皮膚切開は約3㎝で縦切開し、Skin bridge法で行っている。腹直筋の前鞘を十字に切開し、後で腸管が脱落しないようにするため、前鞘の頂点に針糸をかけておく。腹腔内に到達すると、口側腸管が尾側になるように、前鞘の針糸を腸管の側部にかけて固定する。次に口側が広くなるように7:3で腸管長軸と垂直に腸管を切開し、口側の腸管の高さが高くなるように針糸をかけ、反転固定を行う。
結果:
症例は直腸癌が16例(うち再発直腸癌が3例)、横行結腸癌、S状結腸癌(UCあり)がそれぞれ1例であった。男性9例、女性9例であった。年齢は中央値で66歳(48-86)。術式は超低位前方切除術が10例、低位前方切除術が4例、ISRが1例、大腸全摘が1例、人工肛門造設術が2例であった。4例(22.2%)に狭窄あり、1例(5.6%)に肛門側の腸管の脱落があった。狭窄症例のうち、3例は徐々に狭窄所見が増悪したため、3例のうち2例は、吻合部の縫合不全がないことを確認した後、人工肛門閉鎖術を行った。1例は原発巣の手術を行う際にストーマ閉鎖術を施行した。1例は腸管が一時的に浮腫んでいることが原因で、口側腸管にネラトンを通すことにで徐々に軽快した。人工肛門脱落した症例について、再手術でストーマの位置を移動する手術を行った。
考察:
狭窄の原因は腸管の浮腫や捻じれの可能性はあるが、単純に腹直筋の前鞘の切開の長さが不十分であることが原因と考えられる。狭窄症状の症例を経験し、指3本でブジーするようにしてから狭窄を認めていない。脱落予防として、腹直筋前鞘と固定し、肛門側の腸管の高さを出していくことが重要と考える。
結語:
一時的ストーマ造設の合併症とその対策について検討した。