講演情報

[O9-7]腹腔鏡下Sugarbaker法を施行した傍ストーマヘルニア2例

松永 篤志, 山下 真幸, 新井 賢一郎, 野中 雅彦, 木村 浩三, 川上 和彦, 中井 勝彦, 松田 聡 (松田病院)
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【背景】
傍ストーマヘルニアはストーマ造設後にしばしば認められる合併症である。その外科治療は未だ確立されていないが、近年は腹腔鏡下手術の有用性が報告されている。今回われわれは腹腔鏡下Sugarbaker法を施行した傍ストーマヘルニアを2例経験したため報告する。
【症例1】51歳、男性。直腸癌に対して腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術術後、傍ストーマヘルニアに対して1年後に手術を施行した。6cm径のヘルニア門に対して癒着防止付きメッシュを用いて17cm円形でSugarbakerメッシュを作成して留置固定した。
【症例2】
68歳、女性。直腸癌に対して腹腔鏡下ハルトマン術術後、傍ストーマヘルニアに対して1年半後に手術を施行した。7.5cm径のヘルニア門に対して癒着防止付きメッシュを用いて16cm円形でSugarbakerメッシュを作成して留置固定した。2症例とも術後症状は改善しており、現在まで再発なく経過している。
【考察】
症例1からの工夫点として、症例2ではS状結腸をヘルニア嚢内から可及的に剥離して牽引し、術後のsliding予防としてヘルニア門外側とS状結腸漿膜を連続縫合にて縫着を行った。また、腸管損傷、狭窄を注意しつつヘルニア門頭側の筋膜縫縮を行ったことでメッシュサイズは症例1より小さいサイズを留置固定することができた。
【結語】
傍ストーマヘルニアに対する腹腔鏡下Sugarbaker法は有用な術式であると考えられた。