講演情報
[P1-3]HIV感染に合併した肛門上皮内腫瘍に対し内視鏡及び経肛門的アプローチで治療した一例
平田 智也1,2, 柴田 直哉1, 吉田 直樹1, 前川 和也4, 丸塚 浩助4, 山路 卓巳2, 日髙 秀樹3 (1.いきめ大腸肛門外科内科, 2.宮崎県立宮崎病院消化器内科, 3.宮崎県立宮崎病院外科, 4.宮崎県立宮崎病院病理診断科)
症例は45歳男性、2016年よりHIV感染症に対し治療が開始された。また、2022年にHIV関連悪性リンパ腫(DLBCL)を合併し、PET-CTを撮像したところ肛門部に異常集積を認めた。同年8月に大腸内視鏡検査(CS)を施行し、肛門管内に平坦病変を認め、生検にて扁平上皮内腫瘍が検出された。悪性リンパ腫の治療を優先する方針とし、DLBCLがCRを得られたため2024年6月14日にCSを再検した。その結果、歯状線から下部直腸にかけて10mm程の平坦病変を認め、増大傾向であった。NBI拡大観察では食道学会分類type B1血管相当であり、AVA-smallも伴っていた。生検では肛門上皮内病変(Anal intraepithelial neoplasia; 以下AIN)が検出された。
経肛門的直腸ポリープ切除術が検討されたが、病変の範囲診断が困難であるため大腸内視鏡でマーキングと全周切開を行ったのちに経肛門的直腸ポリープ切除術を行う方針とした。同年7月18日に治療を行い、病変を一括切除した。最終病理診断はSquamous intraepithelial neoplasia, high gradeであり、上皮剥離により肛門側断端は不明瞭であった。水平断端のみ不明瞭であったため、経過観察とし現在無再発で経過している。
AINを有する患者のほとんどはHIV感染者であり、肛門扁平上皮癌の前駆病変として重要である。非常に稀であり、文献的考察を加えて報告する。
経肛門的直腸ポリープ切除術が検討されたが、病変の範囲診断が困難であるため大腸内視鏡でマーキングと全周切開を行ったのちに経肛門的直腸ポリープ切除術を行う方針とした。同年7月18日に治療を行い、病変を一括切除した。最終病理診断はSquamous intraepithelial neoplasia, high gradeであり、上皮剥離により肛門側断端は不明瞭であった。水平断端のみ不明瞭であったため、経過観察とし現在無再発で経過している。
AINを有する患者のほとんどはHIV感染者であり、肛門扁平上皮癌の前駆病変として重要である。非常に稀であり、文献的考察を加えて報告する。